モロッコは、アフリカ大陸の北西部に位置する大西洋と地中海に面した国で、首都はラバト、最大の都市はカサブランカです。
サハラ砂漠やアトラス山脈などの豊かな自然に加え、色鮮やかな市場や歴史ある街並みが魅力で、多くの観光客が訪れる人気の国です。
北アフリカを代表するワインの一つであるモロッコワインは、地中海と大西洋に面した温暖な気候と、アトラス山脈の冷涼な風に恵まれ、品質の高いブドウが栽培され、赤ワインを中心に、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラー、メルローなどのヨーロッパ系の品種が多いのが特徴です。
現在はカサブランカ地方を中心にワインが生産されており、果実味豊かでスパイシーな香りと、しっかりとした味わいのワインが多く生み出されています。
また、白ワインやロゼワインも生産されており、爽やかな酸味とフルーティーな風味が楽しめ、モロッコ料理のタジンやクスクスとの相性も良く、近年では世界各国でその品質が高く評価されるようになっています。

カサブランカ
モロッコ最大の都市のカサブランカは、大西洋に面した港町で、経済・商業の中心地として発展し、近代的な高層ビルやショッピング施設が立ち並ぶ一方、旧市街には歴史ある街並みや市場が残り、新旧の文化が調和する町です。
町では、モロッコを代表する歴史的名所の一つである壮大なイスラム建築のハッサン2世モスクの見学や、ラ・コルニッシュのおしゃれなビーチクラブでくつろいだり、セントラルマーケットで手工芸品の買い物を楽しんだりすることができます。
交通の利便性も高く、モロッコ各地を訪れる旅行者の玄関口として、多くの人々が行き交う活気あふれる町です。

ハッサン2世モスク
大西洋に突き出すように建てられた壮麗な建築のハッサン2世モスクは、カサブランカにあるモロッコを代表するモスクで、1993年に完成しました。
高さ約210メートルのミナレット(尖塔)は世界でも有数の高さを誇り、礼拝堂には約2万5千人、中庭を含めると約10万人を収容できる規模を持ち、精巧なモザイクや彫刻、木工細工など、モロッコの伝統技術が随所に生かされています。
イスラム教徒以外にもガイドツアーで内部の見学が認められている数少ないモスクの一つであり、その壮大な建築美と海辺の美しい景観から、モロッコを代表する観光名所として世界中から多くの旅行者が訪れています。

映画「カサブランカ」
1942年に公開されたアメリカ映画「カサブランカ」は、マイケル・カーティス監督、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンが主演の、第二次世界大戦中、フランス領モロッコの都市カサブランカを舞台に、酒場を経営するアメリカ人リックと、かつての恋人イルザとの再会を描いた不朽の名作として知られています。
「反ナチス活動家の夫とともにカサブランカに滞在するイルザは、自由を求めて国外へ脱出しようとします。リックは再び芽生えた愛と、人道的な使命との間で苦悩し、最後には自らの幸せよりも相手の未来を優先する決断を下します。」
作品では、「君の瞳に乾杯」や「昨日のことは忘れよう。明日はまた新しい日だ」など数々の名台詞が生まれ、作品名からモロッコで撮影されたと思われがちですが、実際の撮影の多くはハリウッドのスタジオで行われました。
戦時下の愛と別れ、勇気や自己犠牲を描いたこの映画は、公開から80年以上経った現在でも世界中で高く評価される映画史に残る傑作です。

フェズ旧市街
モロッコ北部の古都フェズに広がる歴史地区で、世界最大級の中世イスラム都市の一つとして知られるフェズ旧市街は、迷路のような路地、伝統工芸、宗教・学術施設が現在も生活の場として機能している点が高く評価され、1981年にユネスコ世界文化遺産へ登録されました。
歴史地区の中心であるフェズ・エル・バリには、数千本ともいわれる細い路地が張り巡らされ、車がほとんど入れない独特の都市構造が残っています。
ブー・ジュルード門は旧市街の代表的な入口であり、革染めの様子を見学できるシュワラ皮なめし工場や、イスラム世界で最も古い教育機関の一つとされるカラウィーインなど、歴史的建造物が集まっています。

タジン鍋
モロッコを代表する伝統的な調理器具のタジン鍋は、円すい形のふたが特徴で、この独特な形状により、調理中に発生した蒸気がふたの内側で冷やされて水滴となり、再び食材に戻るため、水分を逃がさずにじっくりと煮込むことができ、肉や魚、野菜がやわらかく仕上がり、素材本来のうま味を引き出すことができます。
代表的な料理である「タジン」は、鶏肉や羊肉、牛肉に野菜、レモンの塩漬けやオリーブ、ドライフルーツ、香辛料などを加えて煮込む料理で、地域や家庭ごとにさまざまなレシピがあり、タジン鍋は調理器具であると同時に、そのまま食卓に並べる器としても使われ、モロッコの食文化を象徴する存在となっています。

この機会に、世界文化遺産の迷路のような町の散策と、伝統的食文化を堪能しながら、しっかりとした味わいのワインに出会う旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか。



