旬感食 to ナ美

旬感食 to ナ美 Vol.41「小松菜」

小松菜は、アブラナ科アブラナ属の野菜の1種で冬菜、鶯菜とも呼ばれ、冬場が旬のビタミンに、鉄分やカルシウムなどの栄養素が豊富で、骨粗鬆症の予防や風邪の予防だけでなく、美容にも効果のある緑黄色野菜です。

アクが少なくて食べやすく、おひたし、漬物、和え物、炒め物、汁の実など幅広い料理に使え、正月の関東風の雑煮に欠かせない食材で、一年を通して出回っていますが、1、2度霜にあたった小松菜の方が甘みがのり、栄養価も高くなります。

 

 

栽培の歴史

小松菜の原種とみられる野菜は、遠く南ヨーロッパの地中海沿岸、北欧のスカンジナビア地域などで確認されていて、それが奈良時代から平安時代に中国などを経て日本に伝ったと言われています。

小松なの栽培は、江戸時代初期に現在の東京都江戸川区小松川付近で、原種を品種改良して始ったと言われていて、小松川地区にある香取神社には小松菜の由来が伝わっています。

享保4年(1719年)、江戸幕府8代将軍・徳川吉宗が鷹狩りで西小松川を訪れた時、香取神社で食事をすることとなり、時の神主亀井和泉守永範が接待するも、これといった食材がなかったので、餅のすまし汁に青菜を彩りに添えたところ、その青菜を吉宗が気に入り神社のある地名から小松菜と命名したと伝えられています。

また、文献を紐解くと江戸時代後期に書かれた「新編武蔵風土記稿」には「菜は東葛西領小松川辺の産を佳作とす。世に小松菜と称せり」とあり、小松菜が広く江戸っ子に賞味されていたことがわかります。

 

 

江戸川区の小松菜

小松菜は日本各地で作られていますが、東京・江戸川区は全国でも有数の生産地として知られ、都市農業が盛んな江戸川区内においても、農産物の作付面積、収穫量はともに小松菜が圧倒的に多く、その収穫量は約2800トンと都内でNo1を誇っています。

江戸川区の農家数は280戸ほど有る言われ、その多くが小松菜づくりに取り組んでいて、そして先祖代々、小松菜栽培に携わっている農家も多く、小松菜の豊作を祈って、お正月には「青菜断ち」をするという風習を受け継いでいる農家もあります。

小松菜に携わる農家として高い技術を受け継ぎ、誇りをもって栽培に取り組む生産者の方たちが作っているのが江戸川区の小松菜なのです。

 

 

小松菜の品種

小松菜は葉の形によって分類され、茎の部分が長く発達し、葉の部分と分かれにくい「有袴(ゆうこ)種」、葉の部分と茎の部分がシャモジ状にはっきりと区別される「無袴(むこ)種」、有袴種と無袴種の中間の形状を持つ「中間型」の3種に分かられています。

さらに、葉の色が早生種は淡緑、晩生種は濃緑など、耐病性、耐暑性などの栽培特性に、食感などによっても様々な種類があります。

多くの人に知られている種類として、葉にちりめん状のしわが入った品種で、甘みがあり食感が良い「ちぢみ小松菜」や、標準的な小松菜よりも大きく、長さが40㎝~50㎝にもなる「ジャンボ小松菜」などがあり、生のまま食べられるほど柔らかく、クセがないためサラダやスムージーにも適している「サラダ小松菜」は、「えどがわ農業産学公プロジェクト」によって開発されました。

その他にも、江戸東京野菜の「ごせき晩生小松菜」や「城南小松菜」など、地域で古くから栽培されている伝統的な品種もあります。

 

 

地域ごとに葉形や味が違う種類が豊富な小松菜は、近年では小松菜と同系統の野菜と交配して、暑さに強いもの、食味がよいものなどが育成されています。

また、小松菜には長葉系と丸葉系がありますが、耐暑性や耐寒性が優れている丸葉系がおすすめで、萎黄病は薬剤による防除ができないので耐病性品種を選ぶと良いでしょう。