海老は、好きな食べ物の一つという人も多い人気の高い食材です。
食べ物には、それぞれ年間を通じてもっとも味が良く栄養価も高くなる旬の時期がありますが、海老の場合は種類によって時期が異なったり、一年中収穫できる種類も多いため、旬がはっきりしない場合が多いようです。
たとえば、サンマは秋が旬とされ、この時期のサンマはいわゆる「脂がのっている」状態で、栄養を豊富に含み、水揚げ量も一気に増え店頭に多く出回るようになり、手頃な価格で食べることができます。
魚のように脂がのる時期というものが無い海老やカニなどの甲殻類は、産卵後に身が痩せて味が落ちることから、産卵期を除いた時期を旬とすることがよくあります。
また、資源保護のために禁漁期間が設けられている海老も多く、その場合は漁が行われる時期をそのまま旬として扱うことが一般的です。
種類によって異なる旬
良く知られている海老のなかでは、車海老は天然物と養殖物で旬が異なり、天然の車海老は漁が盛んな夏から秋にかけてが旬とされ、この時期の車海老は、甘味や旨味のもとであるグリシンが豊富に含まれ、美味しさが増しています。
一方で、養殖の車エビは消費が増える冬にかけてが旬とされています。
甘海老の旬は、最も甘みが強くなる晩秋から冬にかけての海水が下がる時期とされ、伊勢海老は、産卵期が過ぎた秋が旬とされています。
雄と雌で旬が異なる牡丹海老は、雄は春、雌は抱卵する秋頃とされています。
産地と種類
三重県や千葉県などが主な産地で海老の王者とも評される伊勢海老は、10月1日の伊勢神宮への奉納を皮切りに、漁の最盛期を迎えます。
天然物と養殖物がある車海老は、貴重な天然物は、愛知県や愛媛県が主な産地で、沖縄県や鹿児島県などが養殖物の主な産地です。
「ホッコクアカエビ」が正式名称の甘海老は、北海道のほか、石川県や新潟県など日本海中部での漁が盛んです。
現代では、冷凍保存技術の進化と全国に広がる物流網によって、一年中美味しく食べられる海老ですが、旬に拘って食べてみるのも良いでしょう。