日中の気温も少しずつ暖かくなり、色鮮やかな花を咲かせた菜の花畑が一足早い春の訪れを感じさせてくれます。
そんな菜の花には食用、油用、観賞用と3種類あり、品種がそれぞれ異なる事を知らない人もいるのではないでしょうか。
菜の花とは、アブラナ科アブラナ属に分類される植物の黄色い花の総称で「花菜(はなな)」とも呼ばれています。
店頭で販売されているよく見る菜の花は、食用に開発された「菜花(なばな)」という品種で、菜花には西洋種と和種の2種類あり、西洋種はおもに花茎や葉を食べるのに対し、和種では花茎、葉に加えて蕾(つぼみ)も食べられています。
また、菜の花は植物油の原料にもなり「油菜(あぶらな)」「菜種(なたね)」とも呼ばれています。
植物油の原料として栽培されているのは、ほとんどが西洋油菜という品種だそうです。
日本で良く見る菜の花の種類には、食用で「菜々みどり」、油用には「キラリボシ」「ななしきぶ」「キザキノナタネ」、観賞用の菜の花には「黒川寒咲きちりめん」「春雷」などがあり、おもな生産地は千葉県で、次いで徳島県、香川県、高知県となっています。
菜の花の見分け方
菜の花は葉や茎がやわらかく張りがあり、切り口がみずみずしいものほどより鮮度と言われています。
鮮度が落ちてしまった菜の花は乾燥し、切り口が白っぽくなっていて空洞が見られるものが多いようです。
また、花が開いたものは苦味が強くなっていて食感も硬めになるので、日本では蕾のうちが食べごろとされ、蕾が小さく密集して締まっているものが好まれています。
菜の花の蕾には花を咲かせるための栄養分が凝縮されていて花野菜の中でも栄養満点な食材の一つで、おひたしや辛子和えが良く知られる料理です。
サラダやパスタにも合う食材なので、菜の花料理は食卓を囲む人たちに春の訪れを教えてくれるでしょう。