ギリシャは、世界で最も古いワイン生産国の一つと云われ、その歴史は紀元前2千年に遡り、特権階級の飲み物であったワインが庶民に広まったエーゲ海の諸島が最初と考えられていて、ワインはここからギリシャ本土やイタリア半島などへ普及していったと云われています。
ギリシャの主なワイン産地は、北部のマケドニア地区、ペロポネソス半島、そしてエーゲ海に浮かぶサントリーニやクレタなどの島々まで、全域でブドウが栽培されています。
ワインはEUの規定に沿い、イノス(テーブルワイン)から、オパプ(高品質)まで4つのクラスに分類され、地中海性気候ならではの豊富な日照量と、海洋からの冷風がブドウの栽培には好条件となり、アロマ高く豊富な酸をもったワインが生産されています。

マケドニア地区
ギリシャ北部のマケドニア地区は、北側にアルバニア、ブルガリアそして、旧ユーゴスラビアの一部を構成していた北マケドニア共和国と国境を接していて、赤ワイン中心の産地としてクシノマヴロが重要な品種となっています。
マケドニア地区には、ギリシャ最大のワイン生産者、ツァンタリ・ワインズが拠点を有し、多くのワインが北米や豪州、中国などへの輸出市場に出荷されていて、同じく大手ワイナリーのブタリ・ワインズもここで生まれ、生産量の半分近くが輸出されていて、家族経営でこの産地を牽引して来ました。
マケドニア地区で最も著名なナウサPDOは、クシノマヴロ単一品種のアペラシオンで、中部の山麓部では標高150mから350mでブドウの栽培がされています。
そして、もう一つ著名なPDOを挙げると、クシノマヴロから造るロゼワインも認められたアミンデオンPDOで、ギリシャでも冷涼地域の北緯40度に位置して、標高500mから700mの高地で栽培が行われています。
ナウサ、アミンデオン、それぞれの地域の土壌の特徴を受けて栽培されるクシノマヴロ種から、力強く複雑な味わいの赤ワインが生産されています。

メテオラ
マケドニア地区のアミンデオンから、車で南へ2時間ほどの所に位置するメテオラは、高さ20m~600mの奇岩群が天空にそそり立ち、岩山の頂にへばりつくように修道院が建ち、幻想的な風景が広がる下界と隔離された「中空の修道院」と言われています。
メテオラは、神の近くで祈るにふさわしい地として、9世紀、俗世を離れた修道士たちが、岩山の裂け目や洞穴で修行を始め、14世紀には戦渦を逃れた修道士たちが加わり修道院が造られました。
オスマン・トルコの時代にも修道院の建設は続き、16世紀の最盛期には24の修道院が造られ、現在も活動している修道院の数は、「メガロ・メテオロン修道院」を含めわずかに6つとなりましたが、大自然の力とあつい信仰心が融合して生まれた中空に浮かぶ修道院群はまさに驚異といえるでしょう。

メガロ・メテオロン修道院
メテオラは、ギリシア語で「中空に浮かぶ」を意味する「メテオロス」が語源とされ、14世紀に標高約616mの岩山に、聖アタナシオスによって築かれた最古にして最大の修道院のメガロ・メテオロン修道院も、この語源から名付けられました。
現在活動中の修道院の中で、もっとも険しい岩山の上に建てられているため、修道院に到着するまで約300段もの険しい階段を上る必要があり、訪れるには大変ですが、その苦労以上にメガロメテオロン修道院から見る景色はまさに絶景で、美しい建築様式の修道院と爽やかな青い空のコントラストと合わせて、迫力ある風景を楽しむことができます。
また、修道院の内部には、貴重な聖遺物や精密なフレスコ画などが多数保存され、ビザンチン美術の宝庫となっていて、下界とは隔離された非常に神聖で厳かな雰囲気を味わえます。
1988年にユネスコ世界遺産にも登録されたこの修道院は、メテオラ観光に来たなら絶対に訪れたい観光スポットの一つです。

ガレリウス凱旋門
マケドニア地区のナウサから、車で東へ1時間半ほどのテッサロニキに建つガレリウス凱旋門は、テッサロニキで最も有名な遺跡の一つで街のシンボルです。
元々は中央にドームがそびえ4本の大きな柱が並び、その両隣りにさらに2本の小さな柱が並ぶ立派な建造物であったガレリウス凱旋門は、4世紀初頭に、古代ローマ皇帝ガレリウスがササン朝ペルシアとの戦いに勝利したことを記念して建設され、街の2本の大通りをまたぐよう造られた凱旋門は、1本の通りがガレリウスの宮殿までのびていました。
ガレリウス凱旋門は「カマラ」とも呼ばれ、美しい彫刻が一面に施され、永い年月の中でこの街がどのように変化してきたのかを今に伝える、重要な役割を果たしています。
古代ローマ時代に造られた崩れかけた古代遺跡の周りには、今では対照的な趣のモダンなカフェやショップが立ち並んび多くの観光客で賑わっています。

この機会に、神に近い聖地と、古代ローマの歴史に触れ、そして歴史ある赤ワインを堪能しに、ギリシャへの旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか。



