ワイン de トリップ

ワイン de トリップ Vol.51「スイス:ローザンヌ」

歴史と文化の香り漂う古都ローザンヌは、スイスのフランス語圏ヴォー州に位置するレマン湖畔の都市で、国際オリンピック委員会本部があるとこでも知られ、オリンピック委員会が運営する世界唯一のオリンピック・ミュージアムでは、過去のオリンピックのすべてをみることができます。

エレガントな雰囲気が漂う街は、高級ホテルも立ち並ぶ湖畔のウーシー地区に、華やかなファサードで知られる12世紀のゴシック様式の大聖堂を中心にした旧市街、19世紀に造られたリュミーヌ宮殿には、美術館と科学博物館が併設され、トレンディーなクラブやレストランが集まるフロン地区など、多彩な魅力を兼ね備えています。

また、上質のスイスワインの産地としても知られ、街の東側からブドウ畑の延々と続く一帯は「ラヴォーのブドウ段々畑」として、2007年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。

 

 

バレエの聖地

スイスにおける学問や芸術の中心地として、工科大学や音楽学校、ホテル学校、美術学校などがあり、バレエや劇、音楽などが盛んな文化都市としても知られるローザンヌは、バレエ界の巨匠として有名な故モーリス・ベジャールが設立したバレエ団やバレエスクールがあり、若手ダンサーの登竜門として名高い「ローザンヌ国際バレエコンクール(Prix de Lausanne)」が毎年開催され、日本からは多くの入賞者を輩出していることで、日本ではバレエの聖地としても知られています。

 

 

レマン湖クルーズ

フランスとの国境になる中央ヨーロッパ最大の湖「レマン湖」では、地元の重要な交通機関として定期運行便と、世界中から絶景を楽しみに集まる観光客のために多彩なクルーズが企画されていて、約150年の伝統を誇る湖船に乗って巡るクルーズは、奥に広がるアルプスの山々、湖岸に広がるブドウ畑など美しい風景が魅力です

春、秋、冬の季節は路線が限られますが、夏期にはレマン湖畔のほとんどの港を船が結んで運行されていて、特にモントルーからヴヴェイやシヨン城へのクルーズに、世界遺産の葡萄畑ラヴォー地区のリヴァ、サン・サフォランやキュリーへのクルーズはお勧めで、ローザンヌの対岸に位置するフランスのエヴィアンへは約30分で結ぶ公共交通機関として、渡し船のような感覚で通年運行されています。

 

 

ソーヴァブラン森

ローザンヌ北部にある緑豊かな森林公園に建つ高さ35mの木造の見晴らし塔は、ローザンヌの森の木々が材料として使用され2005年に完成しました。

151段の階段を登れば、レマン湖やアルプス山脈、ジュラ山脈などの見渡す限りの大パノラマを楽しむことができ、小さな湖のほとりには、レストランもあり、週末には多くの人で賑わっている市民の憩いの場所で、市内からは、バスで30分程で行けるので、気軽に足をのばせるスポットの一つです。

 

 

ロマンモティエ教会

スイスで最も古いと言われている教会が建つロマンモティエ・エンヴィー村へは、ローザンヌからフランスとの国境近くにあるバロルブへ向かう列車に乗って1時間程で到着します。

ロマンモティエ教会は日本ではあまり知られていないので、ここを訪れる日本人は少ないですが、1986年に、アメリカの人気歌手ダイアナ・ロスが結婚式を挙げたことでも知られていて、現地では大変歴史ある教会として多くの観光客が訪れます。

ロマンモティエ教会をはじめとした中世の街並みの歴史的価値や、ハイキングに最適な美しい自然から、「スイスで最も美しい村」とも称されていて、趣のある寒村に立つと思わず中世にタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。

 

 

ラヴォーのブドウ段々畑

ラヴォー地区の中心、リヴァ村には「ラヴォー・ヴィノラマ」というビジターセンターがあり、ここでは、ワインづくりの工程などが紹介されている映像が日本語で観賞でき、ワインの知識を学ぶことができます。

ラヴォー地区には、エペッス、カラマン、サンサフォラン、シャルドンヌ、ヴィレット、ヴヴェイ・モントルーの8つの銘柄のスイスワインがありますが、生産数が少ない上に自国でほとんどが消費されてしまうため、国外には少量しか輸出されていないので、日本では滅多に飲めない貴重なワインです。

ワインの歴史と伝統がつくりだした世界遺産の葡萄畑の街道をハイキングしたり、試飲を楽しんだり、ゆったりとした時間を過ごすことができるラヴォー地区には、おしゃれなカフェやレストランに4つ星ホテルもあります。

 

 

スイスに訪れる際には、世界遺産を気軽に観光できるラヴォー地区のワイン街道の散策と、美味しいいワインとの出会いの旅を計画してみてはいかがでしょうか。