ワインで有名なカリフォルニア州の中でも、全米一の生産量を誇るナパやソノマへの玄関口となるサンフランシスコ。
人口約81.5万人の街は、ロサンゼルスと共にカリフォルニア州の経済の中心地として知られ、イギリスのシンクタンクが2022年に発表した調査によると、サンフランシスコは世界5位の金融センターであると評価されました。
カリフォルニア大学バークレー校やシリコンバレーにも近く、コンピュータ系の企業が多く近代的なビルが建ち並びます。
急な坂が多い街は、深い霧に覆われることでも知られ、一年を通して気温の差が比較的小さく、観光地として非常に高く評価されています。
魅力に溢れる歴史ある橋
高さ227メートルの塔に支えられ、優美な弧を描き、サンフランシスコ湾の入り口に架かる橋「ゴールデン・ゲート・ブリッジ」。
青空と海に映える真紅に塗られた橋は、「世界一美しい橋」と称され、霧がかかる朝方からライトアップが美しい夜景まで、サンフランシスコの人気の観光スポットになっています。
赤い橋に、なぜゴールデンゲートという名がつけられたのか、その由来は橋の架かる海峡にあります。
1846年、アメリカ陸軍将校で探検家のジョン・チャールズ・フリーモントによって、当時のイスタンブールにあった「Chrysoceras（ギリシャ語で金の角）」海峡に似ていたことから、「Chrysopylae（ギリシャ語で金の門）」海峡と名づけられます。
ゴールドラッシュ後の20世紀初頭に、大都市へと急成長を遂げたサンフランシスコでは、海峡の対岸へ行くには、フェリーを利用するか陸路を遠回りをしなければなりませんでした。
一刻も早い新道路の建設が望まれると、1930年に入り住民投票によって海峡に橋の建設が決定しますが、世界大恐慌の最中だったこともあり資金の確保に難航し、完成までに7年もの歳月がかかったそうです。
1937年の開通式には、サンフランシスコの人口の約半分の20万人もの市民が橋を渡ったとも言われています。
ハリウッド映画の舞台
サンフランシスコ湾に浮かぶ小さな島「アルカトラズ島」は、人気の観光スポットであるゴールデン・ゲート・ブリッジとトレジャー・アイランドの中間あたりに位置し、かつては灯台や軍事要塞として機能していましたが、島周辺の自然環境が過酷であった事から、1934年から1963年までの約30年間は、凶悪犯を収容する連邦刑務所として使用されました。
収容されていた囚人の中には、マフィアの帝王、アル・カポネや数々の犯罪を引き起こしたギャング、マシンガン・ケリーなど、アメリカ史上に名を残す凶悪犯の名がズラリと並んでいます。
そんな島からの脱出は極めて困難であった事から、受刑者たちの間では「ザ・ロック」「囚人島」「監獄島」とも呼ばれ、1996年に公開されたハリウッド映画「ザ・ロック」の舞台にもなりました。
1963年に刑務所としての機能を終えるまでに、脱獄を試みた受刑者が36人いましたが、無事に逃げ切れた者は1人もいなかったそうです。
脱獄不可能とまでいわれた謎多きアルカトラズ島は、今では人気の観光スポットとなりツアーでのみですが、島への立ち入りが許されていて、当時の面影を残す刑務所内を見学することができます。
アメリカンな港町
19世紀半ばのゴールドラッシュの頃から水揚げが盛んな漁港として栄えた「フィッシャーマンズ・ワーフ」は、サンフランシスコのウォーターフロント北部に位置します。
「漁師の波止場」と呼ばれる港町は、遊びも満載の人気の観光スポットとなり、ぶらぶら散策するだけでもアメリカを感じることができます。
ピア39の先端付近にいるアシカの群れは、日本では見られない圧巻の光景で、運が良ければ、海にぷかぷか浮くラッコを見ることができるかもしれません。
もちろん、旅行気分を盛り上げてくれるシーフードの食べ歩きも良いですが、一品一品がアメリカンサイズなので、何人かでシェアする事をお勧めします。
11月中旬～6月頃まではダンジネスクラブの水揚げシーズンなので、これからの時季は、旬なカニを楽しむ事ができるでしょう。
カルフォルニアワイン
ナパ・バレーは、サンフランシスコから車で約1時間とアクセスも良い、熱気球やスパが人気な観光地で、カリフォルニアワインを代表する産地として、多様な種類のブドウが生産されています。
食事とワインを楽しめるワイントレインなど、多くのワインに関連したアクティビティやツアーも充実していて、高級レストランではカリフォルニアワインが堪能できます。
ナパ・バレーの隣に位置するソノマ・バレーは、敷地面積がなんとナパの2倍以上もあり寒暖差の激しい気候により50種類以上のブドウが栽培されています。
飾り気のないのどかな雰囲気のワイナリーが多く、ナパ・バレーとは違った魅力のあるエリアです。
是非この機会に、ぜひ優雅な土地で新たなるワインとの出合いに、サンフランシスコへの旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか。
