ドイツはヘッセン州の州都であるヴィースバーデンは、タウヌス山地の南麓に位置し、北と西を高地によって護られた地形が穏やかな気候をもたらすドイツで最も温暖な街と言われ、多くの温泉源と鉱泉源を有するヨーロッパで最も古い温泉地の一つで、ゲーテやドストエフスキーも訪れた歴史ある街としても知られている。
フランクフルトからのアクセスも良く、存在感のある中央駅に降り立つと、大きな街であることが実感できる。
温泉でのんびりしたり、ショッピングやカジノを楽しんだり、街の歴史を堪能したりと高級保養地ならではの時間を過ごす事ができる。
宮殿広場に建つ塔
旧市街の宮殿広場の市庁舎隣に建つマルクト教会は、1853年から1862年にかけて建設され、高さ98メートルの主塔はヴィースバーデンで最も高い建造物で、前後にもそれぞれ50メートルを超える4つの塔を持つ。
印象的なネオゴシック様式で造られた赤レンガの外観が見るものを引き付ける。
クアハウス
19世紀のヴィースバーデンは、世界的にも有名な温泉地として急成長したことで、増える新しいニーズに応えるため1907年に新しい施設としてクアハウスが建設された。
フラスコ画や貝、小石で壁が装飾された部屋、黄色い大理石のワインサロン、エンボスカーフレザーと金メッキで飾られた天井の部屋、そして大きなコンサートホールはナッサウ産の大理石で出来た高い柱があり、とても豪華な建造物であった。
第2次世界大戦の終わり頃、空襲によりほとんどが破壊されてしまったが、戦後に修復が行われ、現在の古典的な伝統と現代技術が組み合わさり、美しさ・機能性・安らぎ、そしてそれらを体験する事ができる歴史的建造物となった。
ハウス裏には19世紀に造られたイギリス式庭園のクアパークヴィースバーデンもあり、公園の池でボートを漕いで、太陽の下でのんびりと過ごすのも良いだろう。
自由に飲めるコッホブルンネン
クアハウスの西側には旧市街地区があり、その北のはずれにあるコッホブルンネンは東屋風の飲泉所で、この場所は公園になっており、噴水的モニュメントからも温泉が湧いている。
コッホブルンネンは、何時でも誰でも飲むことのできるナトリウム泉ですが、たくさん飲めば良いというわけでもないようで、「1日1L以下、1回最大0.2L」といった、注意書きも見られる。
健康には良いとされているが、味はあまりお勧めできないかも?
温泉に入る予定のない人も、立ち寄って一口含むことで、少しだけの温泉気分を味わう事ができる。
個性豊かなワイン
白ワイン王国と言われるドイツの白ワインを楽しめるヴィースバーデンと古都マインツ。ヴィ―スバーデンのラインガウ地方は、ライン川からの反射光もあって葡萄栽培に最適な条件の揃った地域とされ、対岸のマインツのラインヘッセン地方を含め周辺ではドイツのワイン葡萄の作付面積のほぼ3割を占めている。
しかもワイン産地としてまったく異なる個性を持ち、近隣のプファルツ地方やミッテルライン地方、ナーエ地方のワインまで幅広く流通していることで、バリエーション豊かなワインを楽しむ事ができる。
デュッセルドルフやケルンがビール派にとって理想的な避暑地とするならば、ワイン派にはヴィースバーデンが断然お勧めの滞在先と言えるだろう。