春先から芽が出始めるアスパラガスは、夏までが旬と言われますが、いろいろな栽培方法により冬でも少量出荷されており、輸入ものもあわせるとスーパーの店頭には通年並んでいるので、あまり旬を感じにくい食材でもあります。
しかし、露地栽培で春から初夏にかけて収穫された物が最も美味しい事は言うまでもありません。
原産地と歴史
たまねぎやにんにく、ねぎ、にらと同じユリ科の多年生植物に属するアスパラガスは、原産地は南ヨーロッパからウクライナ地方だと言われています。
栽培が始まったのは古代ギリシャ時代とされ、その後ヨーロッパに広まったと言われています。
日本へは、江戸時代にオランダ人によって観賞用として伝えられると、明治時代の北海道開拓使がアメリカから種子を導入して食用としての栽培が始まります。
大正時代になってからアスパラガスの食用栽培が本格化しますが、第二次世界大戦によって栽培が一時的に減少します。
その後、冷涼な気候を好むアスパラガスは寒冷地において有利な野菜として栽培面積が再び増加傾向になると、特に北海道では、缶詰のホワイトアスパラガスの輸出が好調となり急速に栽培が発展しました。
しかし、中国や台湾などで安価な缶詰生産が始まりによって、今では輸出はほとんどされていません。
グリーンとホワイト
茹でてサラダに、素焼きで塩をかけても美味しいアスパラガス。
そんなアスパラガスにはグリーンとホワイトが有りますが、違いをご存知ですか?
実は品種には違いが無く、栽培方法が違うだけのようです。
グリーンアスパラガスは芽が出るままにし、日光を当てて栽培するので葉緑素が沢山作られ色がつき、味覚的にはやや青臭みがありまが、その分栄養価は高く、カロテンなども多く含まれています。
それに対して、ホワイトアスパラガスは芽が出る春先に土を盛り芽を日に当てずに栽培する、いわゆる軟白栽培をしたもので、食感が柔らかく、ほんのりと甘みがあり青臭さがありません。
栄養面ではグリーンのものより少し劣りますが、栽培に手間がかかる上に傷みやすいので流通量が少なく価格は高めです。
四季折々の旬な食材を使って、あなた流にアレンジされた料理で食卓を彩り、旬を感じることのできる食で、美しい至福の時を演出してみてはいかがでしょうか。