イルミネーションで飾られた七色に輝く街を歩けば、聞こえてくるのはクリスマスソングとサンタクロースに願い事をする子供たちの声。
そして、ドレスアップした若者たちは、新たな出会いと将来について語り合う。
今や12月のイベントとして、日本でも当たり前となっているクリスマスは、イエス・キリストの誕生をお祝いするキリスト教のお祭りとして知られていますが、いつ頃から行われるようになったのか、その歴史は意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
実は誕生日は不明?
12月25日がキリストの生誕を祝う日と定められたのは、今から1600年以上も前の4世紀中頃のローマで、教皇ユリウス1世の時代からだと伝えられています。
当時の12月25日は、1年でもっとも昼が短くなる時期で「日が再び長くなり、太陽の力が蘇ることを祝う日」として、冬至祭などの大きなお祭りが行われていました。
この世を照らす「光」とされていたイエス・キリストの生誕を祝うなら、この時期がふさわしいという考えから、12月25日がキリスト生誕を祝う日として定められたようです。
そして19世紀中頃から、クリスマスツリーを飾り、家族や友人が集まり、ご馳走を食べて祝うという現在の形が定着したようです。
日本では100年ほど前の大正時代ごろから、一部の家庭で祝うようになり、第2次世界大戦後に全国に広まって行ったと伝えられています。
クリスマスの定番
クリスマスパーティーで欠かせないご馳走と言えば、誰しもが思い浮かべるのが「ローストチキン」ではないでしょうか。
かつてアメリカ大陸に生息していた野生の七面鳥を、収穫祭のお祝いに食べる習わしから、ヨーロッパやアメリカで、七面鳥のローストがクリスマスの伝統食として根付いた事から、世界的にもローストチキンがクリスマスの定番料理として食されるようになったと言われています。
そして、食後に食べるクリスマスケーキと言えば、薪の形にデコレーションをしたケーキの「ブッシュ・ド・ノエル」が有名です。
フランス語で「クリスマスの薪」を意味する「ブッシュ・ド・ノエル」は、イエス・キリストの誕生を祝うバースデーケーキと言われ、なぜ薪をかたどっているかには諸説あり、一説としてイエス・キリストの誕生時に夜通し薪を燃やし続けたことからと伝えられています。
クリスマスが、元々は冬至を祝うお祭りで、イエス・キリストの誕生日では無かった事に驚いた人は、今年のクリスマスは新たな気持ちでお祝いしてみてはいかがでしょうか。