TOKYO BRIDGE WALK

TOKYO BRIDGE WALK Vol.29「弾正橋」

東京都中央区八丁堀に、かつてあった楓川に架かる橋「弾正橋(だんじょうばし)」。

今では、上下を首都高速都心環状線にはさまれ、東西南北から多くの車が行き交う。

 

古く江戸寛永年間には既に、楓川上にかかっているのが記されており、北八丁堀に島田弾正少弼屋敷があったのがその名の由来のようである。

当時は交差していた堀川上に真福寺橋、白魚橋と共に三つの橋がコの字状に架けられていたことから、江戸名所図会に「三ツ橋」として紹介されており、江戸における一つの名物であったようである。

 

 

その後たびたび架替えられたが、明治11年(1878年)に工部省の手により、我が国最初の国産の鉄を使った橋として架替えられました。

当時の橋は、江東区富岡1丁目で人道陸橋「八幡橋(Vol.22で紹介)」として保存され、昭和52年(1977年)には、国の重要文化財として指定されると、平成元年(1989年)にはアメリカ土木学会の栄誉賞も受ける等その歴史的貴重さを増している。

 

 

現在の橋は大正15年(1926年)に復興局によって架替えられたもので、従来の弾正橋よりやや北側に位置しています。

昭和39年(1964年)の東京オリンピックの時に、橋の西側に造成された公園は、平成5年(1993年)に橋と一体化され、くつろぎのある空間として再整備されました。

公園にあるモニュメントは、明治11年(1878年)、楓川に架かる弾正橋を象徴化して復元されたもので、現在は(2023年11月現在)、リフレッシュ工事が進められていますが、工事が終わるとまた、周辺の企業で働く多くの会社員で、日中は賑わいを取り戻すことでしょう。

 

 

日頃、何気なく渡る橋にも、毎日通る道にも歴史ある風情が残っているでしょう。

是非この機会に、いつもの街を少し視点を変えて散策してみてはいかがでしょうか。