2025年5月、オーストリア・ヴァッテンスのSwarovski クリスタル・ワールドにて、日本人アーティストの塩田千春が手がける新たな「Chamber of Wonder(不思議の部屋)」である「Crystallizing Identity」が華々しく公開されました。
本作は、ひとりひとりの輝きと、星の導きによって結ばれる人と人とのつながりに捧げられたインスタレーションです。
Swarovskiのクリスタルを初めて作品に取り入れた塩田千春は、多面的なこの素材を通して、「ありのままの自分」であることと、他者と誠実で深い関係性を築くことの両立を探求しています。
複層的に展開する本作は、日本に古くから伝わる「赤い糸伝説」にも着想を得て、運命によって結ばれた人々は、目に見えない赤い糸で生涯つながっている、そんな物語が繊細なクリスタル・ビーズを織り交ぜた赤い毛糸のネットワークとして空間を包み込んでいます。
糸はやがて収束し、Swarovski Manufakturの技術によって生み出された足、腕、そしてアーティスト自身の手のかたちとなって具現化されます。
Swarovskiチーフ・コマーシャル・オフィサー
ミケーレ・モロンは語る。
「130年にわたり、Swarovskiは革新と芸術性を融合させ、感動とインスピレーションこそが真のラグジュアリーだと信じてきました。」
「この記念すべき年に、Swarovski クリスタル・ワールドはChamber of Wonderを通して感情を呼び起こし、つながりを生み出し、ポップ・ラグジュアリーの概念を刷新する存在として、人々の心に響く物語をクリスタルで紡ぎ続けます。」
Swarovskiツーリズムサービス マネージング・ディレクター
ステファン・イッサーは語る。
「塩田千春さんをSwarovski クリスタル・ワールドにお迎えできることを心より誇りに思います。」
「彼女の作品は、美しさと深い思索性を併せ持ち、Chamber of Wonderに新たな質感をもたらしてくれました。」
「クリエイティブとクリスタルが出会うこの空間が、30周年を迎える私たちのクリエイティビティの舞台に新たな輝きを添えてくれることでしょう。」
塩田千春は語る。
「私たちは自分だけの経験をしていると思いがちですが、実はすべてがつながっていて、肉体は分かれていても、思考の宇宙は共有しているその緊張感に惹かれます。」
「Swarovski クリスタル・ワールドの巨人にインスパイアされ、この命の謎に改めて向き合いました。風景に溶け込む頭部、芸術的営みを内包するお腹、巨人は、私たちの存在が出会った人々や見えない糸によって形作られていることを象徴しています。」
塩田千春は、1972年に大阪で生まれ、ベルリンを拠点に活動する。
塩田千春の創作のインスピレーションは、しばしば個人的な体験や感情に端を発し、それを生命、死、そして人間関係といった普遍的なテーマへと昇華させています。
靴、鍵、ベッド、椅子、ドレスなど、日常的なオブジェを収集し、それらを糸の巨大な構造体で包み込むことで「不在の中にある存在感」を可視化する。
彼女のインスタレーション作品は、この独特の感覚を探求するものであり、彫刻、ドローイング、パフォーマンス映像、写真、キャンバス作品においても、目に見えない感情を表現しています。
2008年には芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、2024年には再び同賞を受賞するなど、その活動は日本国内外で高く評価されています。
https://www.chiharu-shiota.com/
Swarovski クリスタル・ワールド
1995年、Swarovski創業100周年を記念して誕生した「Swarovski クリスタル・ワールド」は、オーストリア・チロル州ヴァッテンスに広がるSwarovskiのクリエイティビティ、サヴォアフェール、そしてアート・デザインとポップカルチャーにおける不朽の影響力を讃える夢幻的な空間です。
以来、世界的に活躍するアーティストやデザイナーとの共創により進化を遂げ、今日では7.5ヘクタールを超えるスケールへと広がりを見せ、草間彌生、ジェームズ・タレル、イ・ブルなど、時代を代表するクリエイターたちが、クリスタルを独自の視点で再解釈し、かつてないデザイン、没入型空間、記憶に残る体験を生み出してきました。
Swarovski クリスタル・ワールドは、Chamber of Wonder、広大な庭園、そして常に進化し続ける企画展で構成され、これまでに1,700万人を超える来場者を魅了してきました。
アート、自然、ラグジュアリーショッピングが融合する空間は、年間を通して文化イベントを展開し、世代を問わず多くの人々に歓びと贅沢なひとときを提供しています。
https://www.swarovski.com/kristallwelten