旧中学校を活用して造られた福岡市が運営するアーティストの成長・交流拠点「Artist Cafe Fukuoka」には、カフェやイベントを楽しめるコミュニティスペース、展示や制作に使用できるスタジオやギャラリー、インスタレーション展示などの大型展示やグループ展示が可能なGrand Studioがあります。
また、福岡アジア美術館のアーティスト・イン・レジデンス事業のスタジオや展示スペースとしても活用する他、アーティストと企業のプロジェクトのマッチングや世界で活躍するアーティストを輩出する海外展開事業を行うなど、アーティストがさまざまな場所や分野で活動するためのサポートをしています。

Artist Cafe Fukuokaリニューアルオープン後初となる展覧会「Artist Cafe Fukuoka Re-Opening Exhibition」が、2025年4月24日(木)から5月25日(日)まで開催されます。
今回の展覧会では、再生銀を用いた陶芸により素材の循環と時間の蓄積をかたちにする福村龍太氏、多文化の融合を身体的感覚とともに彫刻作品として表現する野口寛斉氏、そして、自然の中に流れる時間や記憶を手がかりに、個と世界の関係性や記憶と存在に触れるインスタレーションを展開する穴井佑樹氏、3名の作品が一堂に会します。


私たちが生きる世界の資源の有限性や多様な背景を見つめ直し、未来へ向けた創造的対話を促す本展は、「アートと社会を繋ぎ、新たな想像力を育む拠点」という施設の理念や存在意義を体現されています。
それぞれのアーティストの作品を通じて鑑賞者一人ひとりが、この福岡の地から未来の社会に問いを投げ、対話を深めるきっかけとなることを目指し、この場所から広がる対話と創造の波紋が、より豊かな社会を福岡から築く一助となることでしょう。
福村龍太
1989年福岡県生まれ。2010年、九州造形短期大学陶芸コース研究院修了し、同年、実家である福岡県うきは市の「日月窯」の二代目として作陶を開始する。
伝統を受け継ぎながら、現代的な視点で銀彩を用いた新たな表現の探求を続け、使用する銀には、国内で回収・再生されたリサイクル素材を採用することで、素材の背景や時間の経過による変化を重視し、人の手が加わったモノが持つ自然美をかたちにしている。
野口寛斉
1982年福岡県生まれ。プロミュージシャンとしての活動を経て、2013年に渡米し、アメリカ滞在中にイサム・ノグチの作品と出会い、帰国後に彫刻や陶芸を学ぶ。
縄文土器や李朝、古代ギリシャ彫刻の素朴さと抽象表現の相性を探りながら、文化や時代を横断する造形を模索する中、即興的な身体感覚も取り入れつつ、音楽的な感性を活かした制作を行っている。
穴井佑樹〈non-classic inc.〉
大分県生まれ。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科修了し、「自然はメディアである」をコンセプトに、光や音の先端技術を用いて、自然の持つ多様な側面やメッセージをメディアアーティストとして表現している。
メディアアートの世界的な祭典「Ars Electronica」や、国際的なデジタルアートフェスティバル「Athens Digital Arts Festival」、国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ」等に招聘されるなど、国内外問わず活動を行っている。
Artist Cafe Fukuoka Re-Opening Exhibition
会期:2025年4月24日(木)〜5月25日(日)
休館日:毎週月曜日(5/5(月)は開館、5/7(水)休館)
時間:平日12:00~17:00/土日祝11:00~19:00
会場:Artist Cafe Fukuoka ギャラリー、スタジオ3
入場料:無料
主催:Artist Cafe Fukuoka
協力:KOGEI Next、KANEGAE