長野県は、ワイン用ブドウの収穫量では全国トップクラスで、山梨県に次ぐ日本ワイン生産量とワイナリー数を誇る一大ワイン産地であり、そのワイン造りの歴史は長く、特に2000年以降に飛躍的な拡大を見せています。
塩尻市は、長野県におけるワイン発祥の地として知られ、1890年(明治23年)に、豊島理喜治が桔梗ヶ原でブドウを栽培したことが始まりとされ、日本で初めて本格的なワイン造りが行われた地としても有名です。
2014年にワイン特区に認定された塩尻市では、次世代の担い手を育てる「塩尻ワイン大学」が同年に開校し、ワイン教育にも力を入れていて、塩尻志学館高等学校では、全国でも珍しい酒類の醸造免許を持ち、授業でブドウ栽培からワイン醸造までが行われています。

高ボッチ高原
塩尻市の東部に位置する八ヶ岳中信高原国定公園の高ボッチ高原は、なだらかな傾斜に広がる高原で、360度の眺望が開けた山頂からは、北アルプスの山々はもちろん、諏訪湖、南アルプス、富士山までの景色を存分に楽しむことができます。
春から夏にかけては、レンゲツツジやハクサンフウロなどの多くの高山植物を観察できることでも人気があり、初夏から秋にかけては乳牛が放牧され、その風景は牧歌的で別世界のように感じ、10月中旬頃からは雄大な雲海を見ることができる人気の観光スポットです。

木曽の大橋
橋脚を持たない木造の橋としては日本有数の大きさを誇る「木曽の大橋」は、樹齢300年を超す美しい木曽檜が贅沢に使用された総檜作りの太鼓橋です。
その橋の下には奈良井川の清流が流れ、橋の下部の木組からは匠の技を垣間見ることができ、日没後はライトアップされ幻想的な姿を見せてくれます。
道の駅「奈良井木曽の大橋」の真ん中に架かる橋は、国道19号と奈良井宿を繋いでいて、橋のたもとには「水辺のふるさとふれあい広場」が整備され、散策にも最適で木を複雑に組み上げて生み出されたアーチが、川面に美しい影を落とします。

奈良井宿
木曽十一宿の中では最も標高が高く、中山道屈指の難所の鳥居峠をひかえて、多くの旅人で賑わった宿場町は「奈良井千軒」と言われました。
当時の面影を色濃く残し、奈良井川に沿ってつづく約1kmの日本最長の宿場の町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
保存にとどまらず、現在も人が生活している町というところも奈良井宿の魅力で、たくさんの賞を受賞してきたこの宿場町は、2011年のNHK連続テレビ小説「おひさま」の舞台にもなり、日本のありのままの美を感じることのできる地として、この歴史的な宿場町に、毎年国内外から多くの観光客がが訪れ魅了されています。

桔梗ヶ原ワインバレー
長野県のほぼ中央に位置し、奈良井川とその支流に挟まれた塩尻市を含む地域は、「桔梗ヶ原ワインバレー」と呼ばれ、老舗ワイナリーが多く点在し、近年は小規模ワイナリーも増えつつあります。
ナイアガラやコンコードなどの米国系品種が、桔梗ヶ原の風土によく合い栽培量も多いですが、メルローを長野県内では最初に栽培を始めた場所としても有名で、近年はメルロー以外にも、シャルドネを始めとする欧州系品種の栽培も増えています。

この機会に、八ヶ岳に広がる高原から見る絶景と、奈良井千軒と言われた歴史ある宿場町を堪能し、美味しいワインとの出会いの旅を、計画してみてはいかがでしょうか。



