天然水の産地として有名なコーカサス地方にあるジョージアは、紀元前6000年頃の葡萄の種や醸造跡が発見されており、ワイン発祥の地と呼ばれています。
2013年には、古代から伝わる土壺で「クヴェヴリ」という瓶を使った醸造法が、ユネスコ無形文化遺産に登録され、同製法で造られるオレンジワインは、ジョージアワインの中でも世界で注目を集め評価されています。
また、500を超える固有品種がある中でも、ルカツィテリやサペラヴィなど古代品種が多く含まれ、かつて楊貴妃やクレオパトラも愛飲したとされる、伝統の味を楽しむ事ができます。
南北をコーカサス山脈に囲まれた人口400万人ほどのジョージアは、昔からシルクロードの要所として世界中から年間500万人以上の旅人が訪れるヨーロッパとアジア両方の歴史や文化を感じる事ができます。
美食や美女が多いことでも有名で、首都トビリシに残されている教会や大聖堂は勿論、ジョージア北部、ロシア国境付近のカズベキ山など、観光も自然も楽しめる魅力に溢れた国です。
首都トビリシ
市内を流れるクラ川に架かる歩行者専用の平和橋は、2010年に開通したトビリシの新しい観光名所となっていて、近代的なデザインの橋が旧市街の古い町並みの中に溶け込んでいて、不思議な空間を作り出します。
橋からはトビリシの町を見渡すことができて、夜にはライトアップされてインスタ映えもすると人気です。
橋の東側のリケ公園からは、ロープウェイに乗ってナリカラ要塞まで訪れることができ、トビリシの旧市街を見下ろすことができます。
ロープウェイで頂上からは、ソロラキの丘の上に立つジョージア母の像を近くで見ることができ、トビリシのシンボルともいえる巨大な女神像は、その右手に握られた剣は敵との戦い、左手のワイングラスは友を迎える精神を表しているそうです。
帰りは、ナリカラ要塞から旧市街まで通る細い道を徒歩で下るのもお勧めです。
旅先では、レストラン中心の食事になりがちですが、町のスーパーでは美食の町ならではの前菜に出るお惣菜のようなサラダの種類が豊富で、味付けも日本人好みなので、スーパーで自分好みのお惣菜とパンとワインでホテルでのんびりとパーティもお勧めです。
トビリシからロシア連邦の北オセチアまで続く南北全長約210キロメートルの軍用道路はジョージア軍道として親しまれています。
その道沿いにひっそりと佇む7世紀に建てられたアナヌリ教会は、青く澄んだ湖を背景にして建つその白い要塞建築の姿が、訪れる旅人たちの心を癒してくれます。
そこからさらに北へ進むと、コーカサス山脈の雄大な自然が現れ、この地方の文化を育んできた山々の迫力ある姿に思わず息をのむことでしょう。
ムツヘタ
トビリシからジョージア軍道を経て約20㎞のムツヘタの町は、ジョージアの歴史を語る上では欠かせない古都で、かつてこの地に誕生したイベリア王国(カルトリ王国)の首都だった場所です。
現在の首都はトビリシに遷都しましたが、その後もグルジア正教の総主教座が残ったり、王の戴冠式などはこの地に建つ「スヴェティツホヴェリ大聖堂」で行われています。
ジョージアの中でも歴史や規模がトップクラスのスヴェティツホヴェリ大聖堂を含む「ムツヘタの歴史的建造物群」は、1994年に世界遺産に登録され、ジョージアの中でも多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。
スヴェティツホヴェリ大聖堂までは、風情ある石畳の参道には土産屋や飲食店などがびっしりと軒を連ね、参拝のついでに買い物やご当地グルメが楽しめます。
ワイン造りに歴史ある町トビリシで、和食ともあうジョージアワインと美味しい食事を楽しみながら、町の歴史と大自然を満喫する旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか。