約1300年前にシルクロードを渡り、仏教と共に葡萄がやってきた場所とされる大阪府柏原市で創業した「カタシモワイナリー」は、現存する西日本最古のワイナリーと言われ、創業当時から「日本人の味覚に合うワイン」を造り続けています。
初代、利三郎氏が当時の河内堅下村の斜面の土地を開拓し葡萄の産地を築き上げると、2代目となる作次郎氏が「海外では葡萄を使ったお酒がある」ことを知り、この地でも葡萄のお酒「葡萄酒=ワイン」を作ることを決意すると、日本酒の蔵元や杜氏と共に葡萄をアルコール飲料に変える方法を模索し、ワイン醸造を始めました。
カタシモワイナリーの前身となる「カタシモ洋酒醸造所」を創業しますが、海外のワインの製法を知らない作次郎氏たちが行った醸造方法は、日本酒や味噌、酢などを作る技術を応用した、独自の方法でした。
苦労を重ねようやくワインが完成したのが大正3 年(1914 年)のこと、製品として出荷できるようになったのは大正6 年(1917 年)になってからのことでした。
最適の栽培方法
カタシモワイナリーでは、大阪の気候に最も適している棚栽培を基本としています。
棚栽培はぶどうの実が葉の下の日陰にぶら下がる形になる為、真夏の過酷な直射日光を避けることで、とてもよい葡萄が収穫できるのです。
ワインの命は葡萄作り
すべての自社農園で除草剤を使用せず減農薬に取り組み、可能な限り有機肥料を使用した栽培に拘って、農薬を一般的な使用量の三分の一以下に抑えて作った葡萄は、大阪府のエコ農産物に認定されています。
肥料も葡萄の搾りかすや天然由来のミネラルを中心にするなど、可能な限り有機肥料を使用し、2018年には、地産地消等優良活動表彰にて4回目の農林水産大臣賞を受賞しています。
日本文化に逢うワイン
創業当時から変わらないワイン造りの精神である「日本人の味覚に合う上質なワインを造りたい」を原点として、ここ大阪の地でしか作ることが出来ない、また味わうことが出来ないワインを100年以上造り続けて来たワイナリーです。
海外のワインとは明らかに違う、日本人のために日本人が、日本人の製法と真心で造られるワインは、日本人の文化に逢った一品です。
経済産業省が選定する「がんばる中小企業・小規模事業者300社」「地域未来牽引企業」にも選ばれるなど、ワイン醸造に関する技術の研鑽も続けており、国内外のコンクールで高い評価を受けています。
ワイナリーで毎年行われている「かたしもワインまつり」には、例年多くの人が訪れ、2023年は過去最高の約3000人のゲストが参加しています。
かつて日本一の産地だった大阪のぶどう畑を後世に残し、地域と共に歩んで行くワインの味を、この機会にぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。
カタシモワイナリー
https://kashiwara-wine.com/