ユーラシア大陸最西端にあるポルトガルは、国土面積は92,225平方キロメートルとちょうど日本の4分の1くらいの小さな国で、人口は東京都よりも少ない約1030万人です。
ヨーロッパの中では物価が安く、人も親切で治安も良いので女子旅にもおすすめです。
ポルトガルは、漢字で書くと「葡萄牙」と表記され、ワインが美味しい国としても知られています。
日本の市場では、ポルトガルワインは新しいイメージがありますが、そのワイン造りの歴史は古く、なんと紀元前2000年まで遡ります。
また、コルク樫森林の面積が世界で最も多く、ワインには欠かせないコルクの生産量は世界1位でシェアは何と50%もあります。
ポルトガル北西部にある海岸都市ポルトは、川にかかる堂々とした橋とポートワインの生産で知られていて、自然の美しさや素朴な雰囲気で古き良き時代を彷彿とさせる街並みやフォトジェニックな村、そして美味しいポルトガル料理などが人気で、日本からの観光客も増加しています。
ドウロ川の河口に位置するポルトは、ポートワインの積出港として知られるポルトガル第二の都市として、ローマ時代にはポルトゥス・カレと呼ばれ貿易で栄え、ポルトガルの国名の由来にもなりました。
15世紀にはポルトに生まれたエンリケ航海王子の海外進出の拠点となり、さらなる発展を遂げました。
旧市街の中心にあるサン・ベント駅構内には青く装飾したタイル2万枚でポルトガルの歴史が描かれていて、そこでひときわ目立つのがエンリケ航海王子の遠征の場面です。
これが大航海時代の幕開けとして語り継がれるアフリカ北岸のセウタ攻略です。
世界遺産の橋
1886年に架橋されたドン・ルイス1世橋は、ポルトの中心部と旧市街を結ぶ、幅8m、高さ約45mの二重構造の橋で、パリのエッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルの弟子テオフィロ・セイリグが設計しました。
橋の名前は、当時のポルトガル王ルイス1世に因んでつけられ、アーチを描く美しい姿が特徴的で、クレリゴス教会の塔とともにポルトのシンボルとして世界遺産に登録されています。
二重構造の橋は、上層部が長さ約395mある鉄道用で、下層部は約174mの自動車用となっています。
上、下層部ともに歩行者が通ることができ、特に上層部からの景色は最高で、絶好の撮影スポットになっていますが、鉄道が歩行者と同じ高さを走るので、上層部を渡る際には充分な注意が必要です。
ドウロ川クルーズ
世界遺産の美しい街並みを眺めながら、ドン・ルイス1世橋、フレイショ橋、フランス人設計師エッフェルにより造られたドナ・マリア・ピア橋、サン・ジョアン橋、インファンテ橋、アラビダ橋と順番にくぐって進んでいきます。
ドウロ川クルーズは、美しい橋を真下から観たり、川沿いの街を観たり、これぞポルトという景色を堪能できるおすすめのアクティビティです。
クルーズでは、かつてポートワインを運んだ運搬船「ラベロス」も見ることができます。
船はカイス・ダ・リベイラやヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアから出航しており、所要時間は50分ほどで、どのクルーズ船もルートは同じなので、人が集まっていて直ぐに出航できそうな船を見つけましょう。
ドロウ川に沿って広がるブドウ畑から造られるポートワインは、ポルトへ行ったら必ず味わいたいものです。
ドン・ルイス1世橋を渡りヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアへ行くと、たくさんのワイン工場が並び、その数はなんと50以上もあります。
多くのワイナリーで、観光客向けに英語の見学ツアーを行っているので、ぜひ参加してみましょう。
気候がよい、食べ物が美味しい、そして何よりも人が優しいなど、魅力溢れるポルトガルは、2018年、旅行業界で最も権威があり、業界のオスカー賞ともいわれる「ワールド・トラヴェル・アワード」で2年連続の1位に選ばれました。
是非この機会に、ポルトの歴史と文化に触れ、自然と新たなるワインとの出合いに、旅の計画をしてみてはいかがでしょうか。