長芋はその形態から、長芋群、銀杏芋群、つくね芋群の3つに分けられ、関東では銀杏芋、関西ではつくね芋が主に栽培されています。
長芋群は、栽培品種として多く出回っている細長い棒状の山芋で、一年で生育することから「一年芋」とも呼ばれていて、水分が多く、すりおろしのほか、炒め物や焼き物などにも使われています。
銀杏芋群は、ばち形や手のひら状に広がった形の長芋の一種で、関東地方で大和芋と呼ばれていて、長芋群よりも水分が少なく、とろろ汁などに向いています。
つくね芋群は、握りこぶしのような形状の長芋で、地域の伝統野菜の「大和いも」「伊勢いも」「丹波やまのいも」もつくね芋群に含まれ、粘りがとても強く、和菓子の原料や、かまぼこの練り物のつなぎに使われています。

長芋は、中世以降に中国大陸から日本に持ち込まれたとの説もあるが、中国にもヤマノイモ科の作物は複数あるものの、同種の長芋は確認されていないようで、現在日本で流通している長芋は日本発祥である可能性があります。
また、中国で栽培されているヤマイモの品種は普通のヤマイモ、いわゆる「家ヤマイモ」と「和田イモ」の2種類が主とされています。
産地は広東省と広西チワン族自治区が総生産量の約5割を占め、南方地方を中心に栽培が行われも、中国市場でのヤマイモ類への関心はあまり高くなく、一見では大和芋に似た外見の薯蕷品種が、店頭で「山葯(山薬)」と表示し販売されています。

日本において長芋は、消費・生産ともに内需型に発展してきた作物でしたが、近年では台湾やアメリカで流行している薬膳や健康志向を好む食生活の影響から、徐々に好評を得て輸出量が増えています。

長芋は、すり下ろして「とろろ」にしたり、細く刻んだりして生で食べる事が代表的で、すり下ろしたとろろは麦とろ、山かけ、とろろ蕎麦などに用いられ、お好み焼きなどの生地に焼き上がりをよくするために混ぜられることもあります。
また、水分が多く粘りは弱いため、細切りにしてサラダにするなど歯触りを活かした料理にも向き、煮物にするとほっくりした食感を味わうことができ、マグロ、海老、イカといった海産物との相性も良いので一緒に食べられることも多く、練り切り、かるかん、薯蕷饅頭といった和菓子の材料としても用いられ、中国料理では「山芋の飴炊き」という、大学芋や関西の中華ポテトに似た点心が作られています。

主な栄養素
長芋には、でんぷんの分解を助け、消化不良の改善や、でんぷんをエネルギーとして効率よく利用するのに役立つジアスターゼ(アミラーゼ)や、腸内環境を整え便通を改善し、血糖値の急激な上昇を抑える効果のある食物繊維に、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、肌のターンオーバーを助けるビタミンB6などを含むビタミンB群の他、ミネラル(カリウム、マグネシウムなど)、ビタミンCが含まれています。
ジアスターゼやビタミンB群は熱に弱いため、消化促進や疲労回復の栄養素を最大限に摂取するには、生で食べることがおすすめです。

切り方や調理方法で味わいを変える長芋は、素材の特徴を覚えてしまえば、料理のアレンジがぐっと広がる食材の一つです。
旬を迎えた長芋で、あなたオリジナルのレシピ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。



