東京の街を歩いていると大小様々な橋にめぐり合いう。
新しい橋、古い橋、長い橋、短い橋、普段何気なく渡っている橋も、改めて注目してみると、その歴史や周辺で育まれた人間模様などの新たな発見が沢山ありそうだ。
「TOKYO BRIDGE WALK」の初回を飾ってくれるのは、日本全国でも知名度の高い「日本橋(にほんばし)」を紹介しよう。
地名でもよく知られる日本橋は、1603年(慶長8年)徳川家康により、全国の道路網整備計画に際して架橋され、翌1604年(慶長9年)には全国里程の原点として東海道など五街道の起点となった。
言うまでもなく、当時の日本橋は、北側には大きな魚河岸があり、川沿いには、塩、米、木材といった商いが広がり、まさに経済の中心として、江戸で最も賑わいのある場所となった。
その賑わいは、当時の浮世絵に、風景画として多く描かれている事からも見て取れる。
初代の橋の北側部分を原寸で復元されたものが江戸東京博物館に展示され、当時の様子を見ることが出来る。
ちなみに、大阪の日本橋(にっぽんばし)は、1619年(元和5年)に架橋されている。
日本橋は初代の架橋から308年、19代目となる現在の石造二連アーチ橋が1911年(明治44年)に架橋され、1999年(平成11年)には国の重要文化財として指定された。
現在の姿になって架橋100周年の2011年(平成23年)には、洗浄再生する「日本橋クリーニングプロジェクト」が実施され、架橋当時の美しさを取り戻した。
そして今、日本橋の上を通る首都高速道路の地下移設へ向けての動きもあり、近い将来、日本橋の新しい風景が見れることが楽しみだ。
そんな日本橋の周りには、人情が溢れ、歴史ある商店や企業が連なり、街はいつも活気に満ちている。
ビジネスで通う人、ショッピングで訪れる人、街とのふれあいの形は様々だが、少しだけ視点を変えて観察してみると、日常では気がつかなかった新たな発見ができるだろう。
橋の歴史、街の歴史、そこで育まれた人の歴史をもっと探究していこう。