長野昼神温泉「石苔亭いしだ」では、毎年2月~4月上旬の期間に春の風物詩として、病気や怪我から守り、幸せが満ち溢れるようと願いを込めて、能舞台に二百体のお雛様と2千体のつるし飾りに、厄除けが祀られます。
また、これまで「ヤークー様」として厄落としをしていた神様は、今年は異なる方法での厄落としが実施予定で、古来の日本文化の形式も加味され「古きを訪ねて新しきを知る」紙人形厄落としの内容が予定されています。

雛人形の由来
季節の節目である「節」の時期は、昔から邪気が入りやすいといわれ、五節句のひとつである「上巳の節句(3/3)」では、川で身を清める習慣がありました。
それがやがて紙などで作った人形に穢れを移し、それを川に流して邪気払いをする行事へと変化していき、そして時代とともに人形作りの技術が発展し、川に流すのではなく飾る習慣へと変化していきました。
雛人形は、子供を病気や怪我から守り、幸せな家庭を築けるようにという両親の願いを込めて飾られ、江戸時代に入ると、女の子の健やかな成長としあわせを願うための行事として定着し、今の形式に至っています。
雛祭りが定着した江戸時代頃から、雛人形もより豪華になり雛祭りは「桃の節句」ともいわれ、3月3日が桃の花が咲く時期であること、桃の花に長寿や魔除けの力があると考えられ、古くから親しまれてきました。

雛飾り展示期間:2026年2月1日(日)~4月3日(金)
展示期間中には、竹田扇之助記念国際糸操り人形館によるミニ上演・体験会が定期的に開催され、4月4日以降は能舞台で伝統芸能などが定期的に催されます。
竹田扇之助記念国際糸操り人形館
世界的にも有名であった糸繰り人形劇の名人、故・竹田扇之助から直接指導を受けた竹田扇之助記念国際糸操り人形館によるミニ上演・体験会が開催されます。
ミニ上演・体験会:2026年2月22日/3月1日/3月15日/3月29日
時間:10:30~11:00
https://www.city.iida.lg.jp/site/puppet/sisetsu-takeda.html
能舞台「紫宸殿」
年間を通し定期的に開催される伝統芸能は、2/1~4/3の二千体雛飾り期間と、9月の栗矢の無礼講期間を除き毎日開催されています。

飯田と人形浄瑠璃の歴史
信州伊那谷の要衝の地・飯田の歴史は、京と江戸のほぼ真ん中に位置することから、西と東の両様の文化が流れ込む山の都として栄え、さらに山深き地形と、中央を流れる天竜川がそれをこの地にとどめ、東西の複合文化を創り上げました。
江戸時代に大阪を中心に繁栄した人形浄瑠璃は、街道筋を伝って伊那谷に伝えられ、庶民の娯楽として伊那谷の各所に広がり定着し、当時飯田のまちは豊かに潤っていたと言われています。
山の人々は木を切り出し、農家は桑を育て、蚕を飼って絹糸をとり、農閑期には、当時流行の人形浄瑠璃の一座を呼んで大いに楽しんでいたと云われ、また、飯田にはたくさんの祭りがあり、自然への畏敬の念を抱いた人々の祭りには、神輿や獅子舞、神楽など人形浄瑠璃以外にも様々な芸能が奉納されています。
これらは神事であると同時に、人々の楽しみの場でもあり、神事芸能としての性格を持って地域の人々の心に深く根を張り、伊那谷にはかつて20以上の人形座があり、専用の人形舞台が建てられる程の賑わいをみせ、竹田人形もそのひとつで古い歴史を持ち、寛文年間(1660年頃)に竹田近江掾が大阪の道頓堀に人形芝居の櫓を上げたのが始まりといわれています。
故・竹田扇之助氏は、映画・TV・ショービジネスでの活躍によって海外公演へと飛翔し、竹田の名跡を世界に位置づけ、今世紀最高の人形劇人7名の中に選ばれました。
海外公演は昭和47年4月ドイツポッハム、ボン他主要12都市の公演をはじめ、エジンバラ芸術祭招待、ストックホルム国立人形劇場、フランス、スウェーデン、デンマーク、アイルランド、イギリス、カナダ、イタリア、ポーランド、ソビエト、アジア諸国など多数開催されました。
2020年11月に竹田扇之助氏が死去した後は、竹田人形座の指導を受けた「竹の子会」の皆さんによって継承されています。代表の人形師 水上隆さん(「竹田扇之助記念国際糸操り人形館」職員)は、約10年間、直接 扇之介さんの指導を受けていた方であり、現在も講演活動や、後世への継承に勤めています。

約3000坪の敷地に数寄屋建築平屋造り、全17室の純和風旅館の「石苔亭いしだ」は、客室は約半数が露天風呂で、どの客室からも趣の異なった庭を望むことができ、そして、受け継がれてきた日本の伝統の保護に努め、能舞台にて定期的に伝統芸能が開催されています。
料理は、信州の山里の幸をはじめ、その時々の旬な食材を取り入れた本格会席料理で、素材の味を引き出すことを丁寧に追求した正統派の料理が提供されます。
出湯50年となる昼神温泉郷の温泉は、美容液のような滑らかな湯は美人の湯として有名で、内湯・露天共には大きな石が鎮座し大地の恵みを感じることができます。
また、石苔亭いしだの婚礼は、オプションで花嫁道中や能舞台で式を挙げるなど、ここならではの婚礼にも定評があります。

石苔亭いしだ



