ART&CULTURE

sakai kitchen

堺市では、堺の伝統産品とその魅力を引き立てともに輝く逸品を「sakai kitchen〈堺キッチン〉」ブランドとして認定し、その商品のプロモーションを行うことで伝統産業のブランド向上に向けた取組が行われています。

令和6年5月27日(月)から7月26日)まで「sakai kitchen〈堺キッチン〉」ブランドとなる商品を募集し、書類選考と実物審査の結果、新たな認定商品6点が発表されました。

 

sen 閃〈高橋楠〉

和ペティナイフ、切付ペティナイフ 150 黒打、磨き、鏡面

「日本の伝統や文化を世界に拡げる」をコンセプトに生まれた、フランス発のブランド「sen閃」は、現地でのヒアリングをもとに、フランス人のアートディレクター、プロダクトデザイナーと共に手掛けられ、刀身は切れ味鋭い炭素鋼に近いステンレス鋼銀紙三号採用されました。

銀紙三号は、熱処理が極めて難しいことから、主に堺でしか取り扱っていない希少な商品で鍛冶師、刃付け師ともに110本程度しか生産できないため価格はやや張りますが、最後の最後、短くなるまで使えるので費用対効果高く、環境にも優しいといえます。

ただ硬いのみならず、熱処理と研ぎの技術により、研ぎ易さと切れ味のバランス両立されています

ハンドルは、持続可能な農法で育てた藍を使った藍染を北海道メープルに施され、藍色と黒のパターン存在感のある洗練されたデザインは、どんなキッチンにもマッチします。

 

刃道 潮騒〈㈱福井〉

小文化135、文化180、切付牛刀210

「刃の道」と書いて「HADO」。茶道、華道、柔道、武道など、所作や道具、周囲の空間にまで意識を向けながら最高至極の域を目指す「道」という、日本ならではの感性を包丁に落とし込んだブランドです。

単によく切れるだけでなく、すべての人に持つ感動を与える、魂のこもった包丁づくりから、日本刀のようなコントラストが美しい刃は、あえて全面を磨ききらずに鍛造の跡を残す無骨な仕様になっています

一方で、背やあごといった手にあたる部分は丁寧に角がとられているので、優しい握り心地に、暖かみのあるウォルナットの柄は品のよいデザインで、135の小文化、180の文化、210の切付牛刀の3種類ラインナップされ、使うほどに味がでるので愛着湧く一品に仕上げられています。

パッケージには、パリを拠点に世界各国で活躍するアーティスト、フィリップ・ワイズベッカーによるドローイング採用し、従来の和包丁の厳かなイメージとは異なるHADOならではの世界観を表現しています。

 

堺一文字吉國作 AUS10 流清 燦藍〈㈱ダイキチ〉

三徳包丁 180

ダイキチが手がける最高レベルブランド「堺一文字吉國」の新商品「流清 燦藍(りゅうせい さんあい)」は、刃に最高級スレンレスと名高いAUS10(アウステン)を採用した、手入れが楽で一般の家庭でも使いやすい1丁で波紋模様が美しいダマスカスを施すことで、錆びにくく耐久性が高いうえ、さらに切れ味のよ仕上げられました。

包丁の背や、アゴの角をとる「マチ磨き」も施しているので、どんな握り方でもしっくり手に馴染み一点一点手作業で刻まれる「堺一文字吉國」の文字は、上品なプレミアム感を添えています。

ハンドルには、1年じっくり乾燥させたカシの木を使用し、藍染を施すことで「日本の心」表現され、商品名の「燦藍」は藍の色の一種で深く美しい青が全体をきりっと引き締め、使うほどに味がでる経年変化も楽しむ事ができます。

 

注染扇子㈱協和染晒工場

注染で染め上げた3種類の和柄布を使った扇子は、表裏がないという注染の特徴を活かし、1枚の布で軽やかに仕上げられています。

手ぬぐいの布を使っているので丈夫なのも魅力で、鮮やかな発色は日常をぱっと華やかにしてくれます。

波がモチーフの「青海波(せいがいは)」は、広い海がもたらす恩恵を感じさせ無限に広がる波の文様に未来永劫へと続く幸せへの願いと、人々の平安な暮らしへの願いが込められています。

縁起柄「熨斗模様(のしもよう)」は、人と人とのつながりや絆、長寿を表すおめでたい文様で、振袖や留袖、お宮参りの着物などに使われる、お祝い事には欠かせない柄として知られています。

「かまわぬ」は、「構わぬ」という言葉を「鎌(かま)」「輪(わ)」「奴(ぬ)」絵文字で表現され、古くから手ぬぐいや浴衣などに用いられた柄で、洒落がきいたユニークなデザインは、現代にはないおもしろさがあります。

 

hirali 手ぬぐい竹野染工㈱

四季の変化に富む日本では、古来より、自然の彩りを衣類に取り入れることを通して、独自の美意識を育んできました。

hiraliは、この「重ねの色目」という色彩文化をもう一度解釈し、日本の「季語」をモチーフとした表裏の色合いで表現しています。

春の季語である「風光る」に着想を得たカラーパターンには、爽やかにそよぐ風と、踊るように明るい陽光をイメージできるカラーを配色し、柄は、昔から人々に親しまれてきた風車がモチーフとなっています。

また、秋になると水が清らかになることから生まれた季語「秋の水」には、秋の山々に映える自然の落ち着いた色合い採用され、柄は、水蒸気が涌き立ちのぼっていく様子を表す立涌文と呼ばれる文様使用されています

柄には日本の伝統柄を、色も日本の伝統色を採用することで、全体的に落ち着いた印象でありながら、洗練されたデザインからは個性を感じ、ファッションのワンポイントにも役立ちます。

生地は、吸水性が高く肌ざわりのよい厳選素材で、使うほどにやわらかくなり、ふわふわとしたやさしい風合いが楽しめます。

 

KON-KOU ~混淆~incense holderハイテン工業㈱

「アルミ・真鍮・銅という異なる素材」×「丸・三角・四角の異なる形」のオブジェクトを絶妙なバランスを保ちながら積み上げていく、ハイテン工業特有の「はめ合い」技術が活かされたお香立ては、金属加工が織りなすクールな印象がありながら、職人の手によって一つひとつ丁寧につくられているため、手仕事の温かみや人間味感じられます。

それぞれの金属が今にも崩れそうで崩れない不思議なデザインは、角度や光のあたり具合でさまざまな表情を見せ銅や真鍮などは柔らかな色味や上品な光沢が魅力です。

お香立てにセットされる線香は、堺線香の伝統工芸士(奥野晴明堂)が自ら技術を大阪府立堺工科高等学校定時制課程の生徒たちに指導し、堺市にある「さかい利晶の杜」で栽培された新鮮な茶葉を生徒たちが自ら摘み取り、その茶葉を主原料としたオリジナルの線香です。

お香立てのビジュアルも線香のほんのり甘い爽やかな香りも、和洋どんなシーンにもしっくり馴染み、空間を静かに華やげます。

 

新規認定商品6点は11月15日(金)~28日(木)までの期間、東京代官山の蔦屋書店にて期間限定販売されます

 

堺の優れた伝統の技をもっと多くのに知っていただきたいという思いから立ち上がった堺キッチン、「道具を愛することは、くらしを愛するということ。〈日々のくらしを愛する」をブランドコンセプトに、愛着をもって長く使い続けられる上質なアイテムを提案し、堺の伝統産業の魅力を発信しています。

 

https://sakai-kitchen.jp/