ワイン de トリップ

ワイン de トリップ Vol.45「フランス:ボルドー」

国際ブドウ・ワイン機構(OIV)の発表によると、2023年のワイン生産量は、主要生産国の気候変動による干ばつや高温がブドウの発育に悪影響を及ぼし、前年比9.6%減と60年ぶりの低水準となった。

世界的にワイン業界が苦境となる中、2022年と同水準の過去5年平均を3%上回ったフランスは、世界最大のワイン生産国となりました。

今回は、そんなワイン大国フランスを代表的する産地の中から、最高峰の第一級の格付けを獲得した5大シャトーの有るボルドー地方を紹介します。

 

 

長期熟成型の赤ワインを造るメドック地区が最も有名なボルドー地方は、フランス南西部の大西洋岸に位置し、ピレネー山脈から流れるガロンヌ川、ドルドーニュ川、ジロンド川の周辺でブドウの栽培が行われています。

ボルドーワインの最大の特徴は数種類のブドウ原酒をブレンドすることで、ブドウの品種は、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフラン、マルベック、プティヴェルドが主に使用されています。

 

 

シテ・デュ・ヴァン

ボルドーで人気の博物館「シテ・デュ・ヴァン」は、ガロンヌ川岸に建つ高さ55メートルの独特なフォルムで、ナショナルグラフィックが選ぶ世界で最も美しい博物館の一つとして選出されています。

ワインをテーマに人々が交流し、さまざまな感覚を刺激してワインを愉しむことを目的に建てらた施設では、3つの巨大スクリーンで見るブドウ畑世界一周の旅や、畑上空の疑似飛行体験、タッチパネル式タブレットでぶどう農家の人々の仕事を学ぶコーナー、テイスティング・スペースで音や光、匂いなど複合的に試飲を楽しむワークショップなど、20もの視点からワインの世界と歴史を体験できます。

フランスだけではなく世界各国の有名ワイナリーの展示コーナーもあり、また、芸術の中に表現された神の飲み物としてのワインの映像もなど、ワインのスピリチュアルな魅力についても学べます。

 

 

ミロワール・ドー

ボルドー市街の中心地にある「ブルス広場」は、貿易で栄えていた時代にガロンヌ川から訪れる人達を迎え入れていた場所で、噴水を中心に、ブルス宮殿完璧な左右対称に囲っています。

ブルス広場の中で最も印象的な宮殿とガロンヌ川の間にある水盤「ミロワール・ドー」は、ボルドー随一のフォトジェニックスポットです

敷き詰められた花崗岩のスラブの間から、15分ごとに水が溢れ、ミストが噴霧するアトラクションが繰り返され吹き出したミスとで辺り一面が霧に包まれる光景は、とても幻想的で夜にはライトアップされたブルス宮殿が水盤に映し出され、その美しさもまた格別で昼も夜も両方訪れるのをおすすめします

 

 

サン・タンドレ大聖堂

聖堂内で、緻密な彫刻やバラ装飾の窓、ゴシック様式の尖塔、ステンドグラス、古い天文時計、宗教画などが観れる「サン・タンドレ大聖堂」は、キリスト教聖地巡礼路の一部として1998年に世界遺産に登録をされています。

聖堂内の他の見どころの一つの鐘楼のペイ・ベルラン塔」は、本来なら、大聖堂と一体になるはずの鐘楼ですが、12世紀の技術では、大鐘の重さに耐えられる建築ができなかったことから、サン・タンドレ大聖堂では敷地内の別の場所に建てられています。

大聖堂の内部ををひと通り見学した後は、ボルドーの街並みを一望でき鐘楼に登ると、素晴らしい光景にテンションが上がることでしょう。

 

 

ボルドーの街には、広さは12万6,000㎡とヨーロッパ最大規模の広さを誇る「カンコンス広場」や、1494年に造られて以来、ボルドーの街とともに歳月を過ごしてきた「カイヨ門」に、ナポレオンの命を受けて造られたことから、Napoleon Bonaparteの文字数にちなんだ、17のアーチが印象的なボルドーで最も古い石橋「ポン・ド・ピエール」など、まだまだ見所が沢山あります

 

 

この機会に、ワインをテーマにした近代建築物で世界のワインを学び、五大シャトーと呼ばれる世界最高峰のワインとの出会いの旅を、計画してみてはいかがでしょうか。