ワイン de トリップ

ワイン de トリップ Vol.38「イタリア:カンパニア」

イタリアの中でも特に温暖で太陽の恩恵を存分に受ける、アドリア海とティレニア海に囲まれた南イタリア地域では、果実味たっぷりの陽気なワインが多く造られています。

国内トップクラスの生産量を競ってきた地域は、近年では生産設備が急速に近代化され、非常に良質のワインも多く生産されるようになり、国内外の注目を集めています。

 

 

カンパニア

古代遺跡や美しい海岸線で知られるカンパニア州は、古代ローマ時代に「カンパニア・フェリックス=幸運なるカンパニア」と讃えられていたほど、温暖な気候と火山性土壌に恵まれたワイン造りに理想的な環境です。

代表的なギリシャ原産の葡萄品種アリアニコを使用した長熟で力強い赤ワイン「タウラージ」は、「南のバローロ」と呼ばれる程「南イタリアで最も尊敬されるワイン」と称されています。

州都のナポリは、有名な灰色のベスビオ火山とナポリ湾の深く青い海に挟まれた、自然環境が美しい活気あふれる都市で、南のアマルフィ海岸には、崖と海に挟まれたポジターノ、アマルフィ、ラヴェッロなどの街がありパステルカラーの家が並んでいます。

 

 

アマルフィ海岸

世界遺産にも登録されているアマルフィ海岸は、海岸線の美しい景色と卓越した建築物や芸術作品が必見のイタリア随一のリゾート地で、織田裕二主演の映画「アマルフィ、女神の報酬」の舞台となったことでも知られ、カンツォーネで有名なソレント、セレブ御用達のポジターノやラヴェッロといった美しいリゾート地が点在しています。

神秘的な「青の洞窟」があるカプリ島へも船で1時間ほどで、海沿いに続く断崖絶壁がおりなす海岸線は複雑に入り組んでおり、優美な風景を見せてくれます。

また、中世の海洋共和国として栄えたアマルフィやラヴェッロなどの街では、歴史ある建築物や芸術作品が創造され、街を観光していると当時の様子を感じることができ、日常を忘れ、優雅なひとときを過ごすことができます。

 

 

ヌオーヴォ

13世紀終わり、ナポリにはデッローヴォ城(卵城)やカプアーノ城がありましたが、デッローヴォ城はナポリ湾内に位置し、カプアーノ城は港から遠すぎたため、中間地点に新たな城が必要とされ、フランス・アンジュー家のナポリ王カルロ1世の命で、ナポリ王宮の北東にヌオーヴォ城は建てられました

カルロ1世の孫ロベルト王時代、城にはボッカチオなど文学者や芸術家が多く訪れ、栄華を極めたものの、次の支配者スペインのアラゴン家の改修によって、その痕跡はほとんどの残されておりません。

南イタリアの覇権を争う宿敵同士であったアンジュー家とアラゴン家の争いは、1442年のアラゴン家アルフォンソ5 世によるナポリ攻略で終止符打たれ、ナポリ王アルフォンソ1世となった彼は、ナポリ到着後ただちにヌオーヴォ城の全面改築を行いました。

防御用の円塔5基を備えた堅牢な城は、16世紀初頭までナポリの重要な防衛拠点となりました

 

 

ポンペイ遺跡

約1900年前に、ヴェスヴィオ火山の噴火によって一瞬にして火山灰に覆われ、現代に形を留める古代都市遺跡「ポンペイ」は、長く時間が止まっていたことで、当時の町並み、建造物が保存状態よく残っており、今では古代の人々の暮らしを垣間見ることができるとあって人気の観光スポットになっています。

ナポリは電車で30分ほどで行けるのでアクセス良く、敷地内には神殿や浴場、居酒屋の遺跡など沢山の見所があり、中でも注目されているのが「秘儀荘」と呼ばれる大邸宅で、等身大の人物が壁一面に描かれた壁画は必見です。

遺跡はとても広く、道の凹凸厳しくデコボコしている所が多いので歩きやすい靴で行くことをお薦めします

 

 

是非この機会に、美味しいワインとの出合いと、南イタリアの美しい海岸線と古代遺跡に触れる旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか。