2024年のギフト市場規模が11兆1,880億円と過去最高を更新する中、特に法人ギフトや高級贈答品セグメントでの需要が拡大している市場背景を受け、慶応元年創業の渡辺酒造七代目杜氏の渡辺秀幸氏は、「1本特化」の酒造りに挑む大きな決断をしました。
年間1万本限定・シリアルナンバー付き純米大吟醸「弥栄の酒 寿(いやさかのさけ ことぶき)」で、高級飲食店・百貨店・ブライダル業界の新たな需要を創出し、拡大する高級ギフト市場に一石を投じる戦略を展開しています。
2025年のギフト市場規模は前年比101.5%の11兆3,510億円で推移すると予測されていて、法人ギフトでは、コロナ禍をきっかけに取引先の趣味嗜好に合った特別感のある高品質ギフトが選ばれるようになり、企業がギフトを「気持ちを伝えるコミュニケーションツール」として活用する傾向が強まっています。
消費者向けギフトにおいても「相手の好みにあうか」「もらった人が喜ぶか」「贈り物の内容が状況にふさわしいか」などを考慮した相手本位の贈り物選びが定着し、企業・消費者ともに相手を重視した贈り物選びが進んでおり、ギフト本来の価値が見直されています。
一方、日本酒業界では、国内清酒の課税移出数量がピーク時(昭和48年度)の177万㎘から令和4年度には約41万㎘へと減少する中、純米酒や純米吟醸酒などの特定名称酒の割合は増加し、消費者の嗜好がより品質の高い日本酒へと移行していて、清酒製造業の出荷金額単価は上昇傾向にあり、独自性や体験価値を付加した高付加価値商品の需要が高まっています。
こうした「ギフト市場の拡大」「相手本位の贈り物選び」「日本酒業界の高付加価値化」という3つのトレンドが重なる中、渡辺酒造は慶事専用の純米大吟醸「弥栄の酒 寿」を誕生させたのです。

同価格帯商品との差別化戦略
贈答用として「日頃がんばっている自分へのご褒美やお世話になった大切な人へのプレゼント」として位置づけられる1万円台の日本酒は、普段飲む2,000円前後の日本酒と比べて「特別なお酒」として認識されています。
この価格帯は、相手への感謝の気持ちを表現する「少しだけ奮発」した贈り物として、プレミアム感を演出できる絶妙なポジションにあります。
現在の1万円台の高級日本酒市場を見てみると、極限精米、長期熟成などの製造技術による差別化に、限定生産、季節限定品などの希少性による差別化、桐箱や化粧箱入り、特徴的なボトルデザインなどの差別化が主流となっています。
しかし、これらの従来型付加価値は多くの蔵元が採用しており、消費者にとって選択の決め手となる明確な差別化要素が不足しているのが現状で、また、味わいや香りの優劣は個人の嗜好に依存するため、絶対的な差別化要素とはなりえません。
このような市場環境の中、渡辺酒造の「弥栄の酒 寿」は、従来の製品の差別化とは一線を画す4つの独自性を持った差別化戦略が展開されます。
1.極限の希少性:年間1万本という圧倒的な限定性
2.唯一無二の体験価値:購入者限定酒宴への招待システム
3.プレミアム感:シリアルナンバーによる特別感の演出
4.ブランドストーリー:他の酒造りを完全停止した蔵元の覚悟

一本特化による品質と希少性の追求
七代目杜氏・渡辺秀幸氏は、長年多品種の酒造りを手がける中で、「これぞ」という一本を極めることを決意し、深さ150mから汲み上げる木曽川の伏流水と山田錦(精米歩合50%)を用い、アルコール度数15度で仕上げた純米大吟醸は、完熟マスカットのような芳醇な香りと、上品なキレが特徴です。
冷酒で飲むのを推奨し、和食との相性が抜群で、フルーティでありながらスッキリとした後味は、食前酒から食中酒まで幅広いシーンで活用できます。
購入者限定イベントによる継続的な顧客関係構築
毎年4月に開催される購入者限定の酒宴では、特別なコース料理と「寿」を楽しみながら、華やかなひとときを過ごすことができます。
このイベントでは、商品販売を超えた「記憶に残るひとときに」という体験価値の提供により、他社商品との明確な差別化ができ、購入者の満足度を高め参加者が体験を共有することで、自然な商品PRの促進へと繋げています。
弥栄の酒 寿

日本酒(純米大吟醸)
原材料名:米(国産 山田錦)、米こうじ(国産米)
使用米:山田錦 100%
精米歩合:50%
アルコール分:15度
内容量:720㎖
販売価格:11,000円(税込)
年間生産本数:1万本限定
特徴:シリアルナンバー付き、特製桐箱入り、特別イベントに抽選招待

渡辺酒造
所在地:愛知県愛西市草平町道下83
創業:慶応元年(1865年)
公式オンラインショップ:https://sake-kotobuki.com/



