山々が紅葉をはじめる季節。
栄養価も高く、ホクホクとした食感に濃厚な甘さでお腹を満たしてくれる「かぼちゃ」。
かぼちゃは、長期保存も可能で、おかずからお菓子まで利用できる万能野菜と言えるでしょう。
外国産の流通量も豊富で、八百屋やスーパーの店頭では一年中見ることができるので、意外と知られていないかぼちゃの旬。
国産かぼちゃの旬は、収穫が盛んになる夏と、追熟させた秋~冬頃と言われていて、味わいの違う旬を2度楽しむことができる食材です。
夏の獲れたてのかぼちゃは、水分が多く、みずみずしいあっさりとした甘みを味わうことができます。
このかぼちゃを秋~冬頃までじっくりと追熟させることで、乾燥し甘みの詰まったかぼちゃになるので、どちらの旬を楽しむかは、好みにあわせて選んでみてください。
国産かぼちゃの流通時期は、収穫が始まる初夏の頃から店頭に並び始めて、9~11月頃には追熟されたかぼちゃの流通量が増えます。
なので、秋~冬頃のかぼちゃの方が、比較的安く購入することができます。
かぼちゃの種類
かぼちゃには「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3種類があります。
国内で最も流通しているのは西洋かぼちゃで、ホクホクとして食感と甘みが強いのが特徴です。
日本かぼちゃは、食感がねっとりとしていて和食向きといわれ、1960年代頃までは食卓によく登場していましたが、その後は西洋かぼちゃが主流となったことから、地方の伝統野菜として残る程度で、今ではほとんど見かけなくなりました。
ペポかぼちゃにはいろいろな色や形があり、「そうめんかぼちゃ」や「ズッキーニ」もこの仲間です。
原産地と歴史
日本かぼちゃの原産地は、中央アメリカから南アメリカ北部の熱帯地方と言われています。
日本には、16世紀中頃(1541~1550年)にカンボジアに寄港したポルトガル船によって、豊後(大分県)に鉄砲と共に持ち込まれた物が伝わったとされています。
その際「カンボジア」がなまって「かぼちゃ」という名前になったとする説が有力と言われてもいます。
現在、主流となっている西洋かぼちゃは、19世紀中頃にアメリカから日本へ伝わったといわれています。
原産地は中央アメリカから南アメリカの高原地帯で、日本での栽培が本格的に始まったのは明治時代に入ってからで、東北や北海道などで生産が増えていきました。
北アメリカ南部が原産地のペポかぼちゃは、西洋かぼちゃより少し遅れて日本に伝わったと言われています。
かぼちゃの栄養価
三大抗酸化ビタミンといわれる、β-カロテン、ビタミンE、Cを多く含み、これら3つの成分が相乗的に働くことで、免疫力を強化し細胞の老化を防いでくれる。
特に多く含まれるビタミンEは、血行を促進し、体を温めるので、冷え性を緩和するのに効果的と言われています。
糖質や脂質のエネルギー代謝を活発にするビタミンB1、B2もバランスよく含まれ、栄養価の高さは、野菜の中でもトップクラスです。
皮には果肉以上にカロテンが豊富に含まれているので皮ごと調理すると良いでしょう。
四季折々の旬の食材を美味しくいただいて、今日の健康管理に活かしましょう。