旬感食 to ナ美

旬感食 to ナ美 Vol.32「きゅうり」

みずみずしくパリッとした歯ごたえと独特の風味が魅力のきゅうりは、塩、味噌、醤油、酢など日本の調味料との相性がよく、サラダや漬け物、酢の物などに使わる食材の代表と言えるでしょう。

店頭に並ぶ鮮やかな緑色をしたきゅうりは、実は完熟すると30㎝ほどの大きさに成長し皮は黄色くなるのですが、完熟すると味が落ちてしまう事から、未熟な緑色のうちに収穫して食べるようになったようです。

きゅうりの語源は、この「黄瓜」からきたと言われていますが、中国名の胡瓜という漢字をそのまま当て字に使ったようです。

 

 

ヒマラヤから始まる歴史

インド北部からネパールにかけてのヒマラヤ山麓が原産地とされるきゅうりですが、インドでは少なくとも3000年以上前から栽培されていて、西アジアでも紀元前に定着していたと言われています。

日本でのきゅうりの歴史には諸説ありますが、10世紀頃に中国より渡来したとされ、栽培が盛んになったのは江戸時代後期になってからと言われています。

1960年代頃まで主流だった半白きゅうりは、栽培しやすく流通性に優れ、見た目も良い全体が濃い緑の白いぼきゅうりに切り替わっていったようです。

 

 

意外な真実

きゅうりは見た目が鮮やかな緑色をしているので、緑黄色野菜と思いがちですが、実は淡色野菜に分類されています。

また、ギネスブックにNo1の野菜として記録されています。

その内容はなんとビックリ「世界一熱量(カロリー)が低い果実」として堂々1位に挙げられています。

でも、あくまでもカロリーが低いという事であって、ビタミン類やミネラルなどの栄養が少ないという意味ではないので勘違いしないようにしましょう。

 

 

美味しい旬と健康

通年当たり前のように手に入るきゅうりですが、本来の旬は6月頃から残暑が残る9月頃までと言われています。

この時期は露地栽培もされ、その他の季節にハウス栽培などで収穫されたものと比べると2倍くらいのビタミンCを含んでいるそうです。

淡色野菜ですが、緑色の表皮にはβカロテンが含まれていて、抗発ガン作用や免疫賦活作用で知られていますが、その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるとも言われています。

また、カリウムもたくさん含んでいるので、ナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧に効果が有ると言われます。

そして、利尿作用もあるので、体内の水分量を調節し、むくみの解消にも効果的だとされるきゅうりは、身体を冷やす働きがあると言われ、薬膳料理でも使われる食材です。

 

 

暑い夏が旬なだけに、熱くほてった身体を冷ますのにきゅうりが役立つ事でしょう。