日本ワイン発祥の地として知られる山梨県。
そんな山梨県の中でも大小40社以上の個性豊かなワイナリーが集積する甲州市は、武田家にゆかりの深い歴史と文化の町としても知られています。
四季の彩り
都心から車や電車で1時間半というアクセスも良く、人々の営みの中で培われた果樹園や農村地帯、歴史に彩られた建造物や文化資産などが美しく調和し、広大な山岳や渓谷に囲まれる町は四季折々の景色を魅せてくれます。
春、咲き誇る桜や桃のピンク彩にときめき。
夏、新緑の山々に渓流の青く澄んだ流れに癒され。
秋、神社仏閣の落ち着いた佇まいに紅葉の赤が彩を添え。
冬、人々の温もりと温泉の白い湯けむりが心にしみる。
自然と温泉、歴史を楽しむ
2005年(平成17年)に塩山市、勝沼町、大和村の3市町村が合併して誕生した甲州市は、市の8割を山岳、渓谷、森林が占め、登山やトレッキングの人気スポットが数多くあります。
登山をしない人にも小説「大菩薩峠」で知られる日本百名山の大菩薩嶺は多くのトレッカーに人気が高く、甲府盆地から富士山や南アルプスまでを望む眺望は、まさに絶景と言えるでしょう。
市の中心地にある塩山温泉郷は、今から600年以上も昔に向嶽寺を開山した抜隊得勝禅師が発見したと云われ、7軒の湯宿が集まる風情ある温泉地として賑わっています。
武田信玄の菩提寺で知られる恵林寺は、1330年(元徳2年)、甲斐牧ノ庄の領主をつとめていた二階堂出羽守貞藤が、禅師で作庭師としても名を馳せた夢窓疎石を招き、自邸を禅院とし創建したのが始まりとされています。
塩山温泉郷から北へ車で10程のところに位置する恵林寺では、多くの観光客が名勝の庭園に魅了され、ゆったりとした時間をすごしています。
家族や友人と個性豊かな町なみをゆっくりと歩いて巡り、市の歴史や文化に親しむのはもちろん、釣りやキャンプ、フルーツ狩りなど楽しみ方は様々で訪れる人を笑顔にしてくれます。
大地の恵みとワイン造り
フルーツとワインの都と称される甲州市は、1300年以上のブドウ栽培、約140年のワイン醸造の歴史を持ちます。
ブドウをはじめ、モモ、イチゴ、サクランボなど、品質の高い多彩なフルーツが年間を通じて堪能することができます。
中央高速勝沼インターチェンジより車で5分程の所にある「宮光園」は、日本国内初の民間ワイン醸造会社である大日本山梨葡萄酒会社が1886年(明治19年)に解散した後に、醸造器具一切を継承しワイン醸造を創業しました。
今では、当時のワイン醸造や皇族の行啓、行幸の様子がわかる貴重な写真や、観光葡萄園に関する数多くの資料などが展示され、日本のワイン造りの歴史を知ることができます。
近年、地元産のブドウ品種である「甲州」を使ったフルーティな味わいのワインが世界市場で注目されると多くのワイン愛好家から高く評価されるようになりました。
その他にも、武田信玄の陣中食ともいわれる「ほうとう」をはじめ、ワインを飲ませて飼育した肉質の柔らかい「ワイン豚」なども甲州名物として人気があります。
都心よりアクセスのよい山梨県甲州市へ、武田信玄の生きた戦国時代の歴史と豊かな自然に触れ、大地の恵みと美味しい甲州ワインを堪能しに一度足を運んでみてはいかがでしょうか。