伊豆熱川温泉の温泉地から離れた奥熱川に佇む「奈良偲の里 玉翠」は、和風庭園と竹林庭園の2つの庭園を持ち、自然を眺めるだけでなく、身をその中に置いて寛げることをコンセプトとした全13室の湯宿で、自家源泉から湧出する豊富な湯量が、全客室、大浴場の源泉かけ流しを可能にしています。
2024年、創業110年を迎え、数回に分けてのリニューアルと新サービスが発表され、第一弾として、客室のリニューアル、和風庭園にて「水鏡(みかがみ)テラス」のオープン、複数の客室に温泉櫓と湯冷まし回廊の設置がされました。
これらのリニューアルは、デザイナーの青山尚史氏監修のもと行われ、温泉櫓と湯冷まし回廊の設置は、熱川温泉の湯守り文化が2023年ユネスコ世界ジオパーク無形文化遺産に登録されたことの記念も兼ねて作られました。
1階和洋特別室「春日」
従来の源泉かけ流し足湯とテラスがついていた客室がリニューアルされ、和風庭園の紅葉の木を客室の一部としてデッキテラスを延長し、そこに足湯やインテリアが設置されました。
源泉かけ流し足湯、和風庭園の鑑賞など、従来の楽しみ方に加え、新たな体験が可能となり、「自然を眺めるだけでなく、その身を中に」という、宿のコンセプトを体現した客室に仕上げられました。
「樹(いつき)テラス」と称した、約25平米のデッキテラスでは、木の真下で木漏れ日を眺め森林浴という、ピクニックさながらの体験ができ、遊び心として、スウィングチェアも設置され、庭園や客室と調和した新調インテリアは、デッキテラスでの滞在を心地よく演出しています。
水鏡テラスと水盤
ラウンジテラスに水盤を設置し、水鏡テラスとしてリニューアルされ、和風庭園「葉ごろも」の入口としてだけではなく、そこで水盤に映る庭園のリフレクションが鑑賞できるようになりました。
水が鏡になっているような様から水鏡テラスと命名され、黒塗りの水盤テラスの水面には
、4月~6月には新緑や紫陽花、8月には風鈴、11月には紅葉が反射して映し出されます。
夜には木やテラスのライトアップがされ、庭園の緑が少なくなる季節の夜には、竹玉や竹あかりでのライトアップが予定されています。
水鏡テラスの水盤の中心には、この地区のお寺である自性院の改修に伴い伐採された、樹齢200年~300年のヒノキの木の根を譲り受け配置されました。
温泉櫓と湯冷まし回廊
創業110周年とジオサイト登録を記念して、3つの客室タイプの客室風呂に、温泉櫓と湯冷まし回廊が設置されました。
温泉街に建つ本物の温泉櫓は、約100度近く高温で湯の花が付きやすい特徴を持つ、熱川の温泉を管理するための建造物で、本物は高さ20m、地下400mに配管が配されています。
宿のサイズは高さ50㎝~100㎝程で、落差と温泉櫓に付随する回廊により、温泉の温度を段階的に冷ませるよう、湯守りによって試行錯誤の末に設計され、より質の高い源泉かけ流しの提供が可能となりました。
奥熱川「奈良偲の里 玉翠」
〒413-0302 静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本39-1
アクセス:伊豆急行線伊豆熱川駅から車で約10分
部屋数:13部屋
URL:https://www.gyokusui-ryokan.com/