スペインの建材メーカーCosentino Japanは、デザイナーJames Kaoru Buryと協働し、建材廃材を再活用する新しいインスタレーションを、開催中の「DESIGNART TOKYO 2025」にて発表しました。

DESIGNART TOKYO 2025
会期:2025年10月31日(木)~11月9日(日)
時間:10:00~19:00
会場:Cosentino City Tokyo
東京都港区南青山6-4-14 INOX 青山
JAMES KAORU BURY

プロダクトデザイナー。TOTO株式会社およびHers Design Inc.にて、住宅設備・家電・生活雑貨などのデザインに従事。2020年に独立し、2023年に株式会社JAMES BURY DESIGN OFFICEを設立。「感性」と「効率」のバランスが求められる現代において、ストレスフリーな生活文化の実現と持続可能な事業の両立を重視。市場調査から製造工程、スタイリングまでを包括的に捉え、デザインとビジネスの調和を追求している。多摩美術大学・武蔵野美術大学 非常勤講師。
古来より、人々に親しまれてきた焼き物や石材は、時を越え、技術の革新とともに、いまや私たちの日常により身近な存在となりました。
その素材は世界中の建築で広く用いられていますが、その一方で、多くの廃材が行き場を失い、見過ごされてきました。
大判タイル、クォーツストーン、独自技術で加工された天然石などを扱い、常に新たな技術を切り拓いてきたCosentinoは、デザイナーJames Kaoru Buryとの協働により、これらの廃材に新たな可能性を見出す試みとして「DESIGNART TOKYO 2025」を開催しています。
役目を終えた「残り」から、人が安らぎを感じる「休息」の場をかたちづくる「Rest」という言葉が持つ静かな二面性を通して、素材と人との関係を再び結び直します。
失われゆく素材が、デザインの手によって異なる様式へと昇華する過程を見ることができます。

行き場を失った廃材のみ利用
Cosentinoの大判タイルは、3メートルを超える原板から必要な部分を切り出して使用されますが、その一方で、切り出し後に残った端材は用途が見つからず、行き場を失ってしまうことがあります。
なかには、原板とほとんど変わらないサイズの大きな端材であっても、しばらく工場で保管された後、最終的には産業廃棄物として処理されてしまうケースもあります。
今回の展示「PIECE OF REST」では、こうした工場で廃棄予定だった大判タイルのみを使用して、既存の生産工程から生じる余白を新たな素材として見立て、プロダクトや空間デザインの中で再構築することで、サステナブルな循環の可能性を提案します。

日本の職人による様々な加工技術
Cosentinoの大判タイルは、岐阜県の株式会社クリエストンにて加工とアセンブリが行われていて、大型設備による精密なカットや、トメ加工のための斜めカットに加え、石材加工で培われた職人の手作業による切削・研磨技術を駆使し、多様な要望に応えています。
「PIECE OF REST」の制作では、これらの職人技を最大限に活かし、一般的な建材加工ではなかなか見られない高度な技術によって形づくられています。

自然の情景を再現
「ただ、眺めるための情緒的な洗面台があってもいいのではないか」という仮説から生まれた水盤「SATSUKI」は、湖面をなでる風がつくる穏やかな波の情景を切り取ったインスタレーションです。
この繊細な水の動きは、SPLINE DESIGN HUBとの協働により、独自設計の装置を用いて実現され、水という自然物と最新技術が交わることで、静けさの中に生命感を感じさせる風景を再現しています。
スペイン発、サスティナブルな素材を扱うことで知られるグローバルカンパニーのCosentino Japanは、世界114ヵ国へ建築とデザイン向けに革新的でデザイン性の高い素材を開発、製造、販売を行っている。
日本では、サイルストーン(ハイブリッドミネラル)、デクトン(超大判セラミック)、センサ(特殊撥水処理天然石)のブランドを通じて、キッチンやバスルームの天板から床材、内外装材まで汎用性の高い素材により幅広いソリューションを提供しています。
https://www.cosentino.com/ja-jp/




