旬感食 to ナ美

旬感食 to ナ美 Vol.9「ブロッコリー」

栄養素を多く含み野菜の王様ともいわれるケールが祖先にあたるブロッコリー。

βカロテンとビタミンCが豊富で、含有量はキャベツの4倍といわれています。

ブロッコリーのかいわれ状の新芽を食べるブロッコリースプラウトは、「スルフォラファン」という栄養素が豊富だとして健康機能が注目されています。

スルフォラファンは、先端医学の研究者である米国ジョンズ・ホプキンス大学のポール・タラレー博士によって、その働きとメカニズムが解明されました。

ブロッコリーと中国野菜カイランを掛け合わせた「スティックセニョール」は、アスパラガスのような風味の茎ブロッコリーで小分けにする手間がかからず調理に便利です。

ブロッコリーと中国野菜のサイシンを掛け合わせた「はなっこりー」、そしてイタリアからは紫色の「パープルスプラウティング」など、ブロッコリーは色々な品種が流通しています。

 

 

普及は昭和バブル

キャベツの仲間のブロッコリーは、キャベツと同じ地中海沿岸が原産地といわれ、キャベツの原種が交雑を繰り返すことでブロッコリーへと発達したと考えられています。

古代ローマでは日常的に食べられていたという記録が残っていて、15~16世紀頃には栽培が盛んとなり、イタリアからヨーロッパに広く普及していったのは17世紀頃といわれます。

日本に渡来したのは明治時代といわれていますが、当時はあまり普及しなかったようです。

第二次世界大戦後に、日本でも本格的な栽培が始まり、1980年代になって全国へ急速に普及していったといわれています。

日本では、まだ歴史の浅いブロッコリーですが、栄養が豊富で、調理しやすく、クセがなくて食べやすいことから、人気の野菜として日本の食卓に定着しました。

小さな緑色のつぶつぶが沢山ついているブロッコリー。

これは、一つひとつが花の蕾で、その蕾が集まった集合体を「花蕾(からい)」といいます。

そのため、収穫せずにブロッコリーを放っておくと、沢山の黄色い花を咲かせます。

 

 

サラダやシチューに炒め物

ブロッコリーは、茹でるよりも、炒めたりレンジで加熱することでビタミン類の損失を抑えることができます。

茹でる時は、塩を少し入れて3分くらい茹で、串がすっと通れば大丈夫です。

茹であがったらざるに入れてそのまま冷しましょう。

冷水につけると蕾の隙間に水が入って水っぽくなってしまうので注意しましょう。

 

 

ブロッコリーは茎の部分にも栄養があるので残さずに食べましょう。

茎は、厚めに皮をむいて薄く切ってから塩茹でや炒め物にすると、ホクホクしておいしくいただけます。

風邪予防に欠かせないビタミンCをレモンの2倍も含むブロッコリーは、100g食べると1日の摂取量がまかなえると言われています。