隈研吾氏が建築板金職人とコラボレーションした、伝統技術で創り出す独創的ランプシェードは、美しさと機能性を兼ね備えた持続可能なデザインです。
板金職人の技術と建築家のデザインによって作られた板金材で織り成すランプシェード「渦」。
屋根や外壁などの建物の外装工事を中心に、近年は板金の折鶴や壁掛けオブジェの製作販売も行い、2024年1月にはカフェ「和國商店(わくにしょうてん)」をオープンしたウチノ板金は、隈研吾建築都市設計事務所のデザイン監修の板金製のランプシェード「渦(うず)」の製作販売を2025年3月(予定)から始めることを発表しました。
再生した商店に灯る新しい光で見る人の心も温め、地域も明るくする。
様々な板金材でつくることができ、板金廃材の再利用もできる環境に配慮したランプシェード。
隈研吾建築都市設計事務所 隈研吾氏(デザイン監修)
板金で作る渦のようなデザインのランプシェードは、薄い金属という板金の特性を活かし、電球のまわりをひらひらと解けるような薄い板のシェードです。
和國商店でも使用している緑青銅板を始め、真鍮板など様々な材に展開できるよう、それぞれの板は日本古来の建築板金技術を用いてつなぎ合わせています。
折り目をつけることで強度が出る板金の性質を利用し、薄い材でも素材として活用できるよう工夫することで環境にも優しいランプシェードとなりました。
「渦」隈研吾建築都市設計事務所
https://kkaa.co.jp/project/uzu/
ウチノ板金(和國商店) 内野友和氏(製作・販売)
1枚1枚が個別に形成された9枚の板金を連結させるため、伝統的な板金技術「ハゼ組」を採用し、現場で廃棄された板金材も再利用できるようにと設計されたランプシェードは和國商店のテーマである「循環」をも表現しています。
隈研吾氏と何度も意見を重ね合いながら完成させた「渦」は、板金職人の熟練した技術を駆使し、新たな価値を追求した結果、職人の技術の結晶を毎日間近で楽しんでいただける作品となりました。
熟練の職人が手作業で作っている板金ランプシェード。板金同士は建築板金の技法「ハゼ」で連結。
屋根や外壁などの板金を手掛けるウチノ板金の工芸品ブランドの「和國商店(わくにしょうてん)」は、板金の折鶴で海外のファンも多く、2022年からはフランス・ドイツ・マレーシアの学校・大使館・公的機関・店舗、国内では代官山蔦屋書店で板金折鶴製作のワークショップも開催し、日本文化・板金技術を海外に伝える活動も行っています。