岡山県の倉敷美観地区にて、飲食・宿泊体験を通じ、地域の食文化や倉敷の文化・歴史に触れることができる料理宿「撚る屋（よるや）」は、日本の地域資源を活用した企画と事業創造を手がける「Kiraku」によって造られました。
年間約461万人もの観光客が訪れる倉敷市は、特に日本の文化景観を楽しむことができる倉敷美観地区に国内外から多くの観光客を引き寄せています。
一方で、美観地区周辺の宿泊施設数は限られており、観光客の多くは日帰り客である中、滞在を通じて倉敷美観地区の魅力をより深く体験できる場が期待されています。
倉敷美観地区内のこの伝統的建造物は、明治期に栄えた呉服屋の別邸として110年以上前に建てられ、その後旅館として30年以上地域に愛されてきましたが、近年は未活用となっていた貴重な地域資源を新たな宿泊施設「撚る屋」が誕生しました。
撚る屋は、飲食・宿泊体験を通じて倉敷の魅力を感じることのできる場として、築110年以上の伝統的建造物を改修・増築し、客室13室にダイニングと、地域に開かれたワインバーを併設した料理宿として生まれ変わりました。
デザインコンセプトには、かつて家族や人々が集った「火の座（かのざ）」をテーマに、土地や人々との繋がりを深める空間が創造され、既存建物の柱や梁を可能な限り活かしつつ、新築棟との調和を図り、美観地区特有の路地「ひやさい」を再現するなど、伝統と現代の融合が随所に感じられます。
撚る屋のダイニングでは、春夏秋冬という四季の枠を超え、日本の繊細な季節のうつろいを肌で感じとりながら、その瞬間の最適な食材や調理方法を用いて、この土地ならではの日本料理が提供されます。
江戸時代に干拓によって生まれ、水運を活かした物流の拠点として栄えた倉敷の歴史を背景に、その日に水揚げされた新鮮な瀬戸内の魚介、岡山の土壌が育む野菜や和牛、近郊で育つ地の幸など、多種多様な食材を取り入れています。
「スイート」
伝統的建造物を改修し増築した建物に位置し、既存建物から残されたスイート専用の東門を通って入ると、広々としたリビングと開放感のある高い天井が迎えてくれます。
また、専用庭を望む半露天風呂が備えられ、ゆったりとしたくつろぎの時間を過ごすことができます。
「ジュニアスイート」
スイートと同じく改修し増築した建物に位置するジュニアスイートでは、一体となるベッドルームとリビングが専用庭に面しており、高い天井には、改修前の建物の梁がそのまま残されていて、離れには浴室と半露天風呂が備えられ、お風呂からも専用庭を楽しむことができます。
「メゾネット 漆喰」と「メゾネット 煉瓦」
新築棟に位置する客室で、それぞれ漆喰や煉瓦を用いたデザインが特徴で、1階には洗面エリアと半露天風呂、2階にはリビングと寝室が配置され、両階から専用の坪庭を楽しめるように造られています。
「スタンダード」
母屋棟の2階に位置する建物の既存の木材を再利用して改修された客室は、存在感のある梁を残すことで、ここで紡がれた歴史の趣を感じることができます。
宿泊者以外も楽しめるワインバー「Bar YORUYA」では、近年ワインの名産地として注目を集めている岡山のワインをはじめ、国内外で作られたナチュラルワインからクラシックワインまで、幅広いジャンルのワインをセレクトしています。
さらに、ワインとともに楽しめる料理は、宿のダイニングと同様に地元の旬の食材を使用し、日本料理の技法を基盤にしつつ、ワインとの相性を追求した一皿が提供されます。
撚る屋〈YORUYA〉
〒710-0053 岡山県倉敷市東町2-7
https://yoruya-kurashiki.com/
