TALK LIVINGから、京都を拠点に世界で活躍する建築家・高松伸とのコラボレーションによる、鋭くも詩的な造形思想を器というスケールに託した、京都を感じさせる器「洛」が新発売されました。
トークリビングのオーナー梶原氏と、建築家の高松氏との親交は20年以上に及び、初めての取り組みは約12年前に発表された高松氏デザインの家具シリーズで、そして時を経て、第2弾となる「器」をテーマにしたプロジェクトが実現され、「洛」は、「舞」「雅 」の2シリーズ、5アイテムで展開されます。
本商品の特徴である、美しい曲線を有すフォルムは、従来の土では焼成時、高温に耐えられず形が崩れてしまうという課題があり、理想のかたちを実現できる素材を求め続け、辿り着いた答えが有田の磁器でした。
そして、幾度もの試作を重ね、造形が完成しました。
建築家・高松 伸〈Shin Takamatsu〉
「国立劇場おきなわ」「天津博物館」「植田正治写真美術館」など、数多くの公共建築を手がける日本を代表する建築家で、その独自の建築論と造形美学に基づいた作品は高く評価され、現在も第一線で活躍を続けています。
高松伸は「洛」について語ります。
京の「エーテル」
かつてアリストテレスは、この世には我々が知覚し得るところ「地」「水」「火」「風」の四元素が存在するものの、それら以外に我々の感覚ではとらえることが不可能な第五の元素が存在し、それが世界に遍く満ちることによって世界を世界たらしめていると確信し、そして彼はそれを「エーテル」と命名しました。
少なくとも応仁の乱以降、このみやこで家系を紡がなければ決して「京都人」とは認めていただけないものの、それでもこの地に住んで50年以上。
ということで多少の物言いを大目に見ていただくならば、京都には確実にかの「エーテル」が存在し、他でもないそれが京都を京都たらしめていると断言でき、それを「雅」とか「艶」とか「華」とは決して呼ばないでおこう。
ともあれ「洛」は、その京都の第五元素に「器」を通じて触れなんとする私なりの作法である。
舞 漆黒、朱 カップ&ソーサー
世界的建築家・高松伸が描いた造形思想を、有田焼の技によって器へと昇華し、流麗な曲線美は、芸術品のような存在感を放ちます。
カップとソーサーが呼応する一体感あるフォルムは、精緻な計算による結晶となり、漆黒には流れる金彩を、朱には舞う花文様があしらわれ、それぞれが異なる気品を宿す日常を格上げする一客として、また贈答にもふさわしい逸品です。
手元の所作を美しく引き立てる、繊細な持ち手の曲線美に、円を二点で支える独創的な構造が、優雅な曲線となり、指先に心地よく寄り添います。
価格:20,000円(税別)
容量:115㎖
舞 瑠璃 カップ&ソーサー
造形美を支える持ち手には強度を加え、日常の使用にも安心で、深みある藍の美しさを纏いながら、実用性も兼ね備えた一客です。
価格:10,000円(税別)
容量:115㎖
雅 十二単 カップ&ソーサー
真白な磁器に流れるように描かれた彩りは、平安の装束「十二単」を想わせる気品あるデザインに、独創的なフォルムに鮮やかなラインを重ねることで、衣の襟が折り重なるような造形と雅やかな美意識が響き合い、持ち手部分には一点一点、手塗りで彩色を施し、特別な存在感を宿しました。
色彩が施された部分はわずかに凹み、陰影を伴って曲線に沿いながら流れ落ち、その姿は、衣の襟が折り重なり奥行きを生んでいます。
価格:12,000円(税別)
容量:170㎖
雅 白絹 カップ&ソーサー
彩色を施さない白磁のフォルムは、陰影と曲線が織りなす緊張感と均衡を際立たせ、装飾に頼らず、造形そのものの美しさを映し出すことで、静謐な気配と凛とした佇まいを生み出した、純粋なフォルムの力を堪能できる一客です。
白磁のフォルムは折り紙の折り目のようなラインに陰影が浮かび、曲線の重なりが奥行きを生み出し、色彩を排したことで、形そのものの緊張感と均衡が際立ち、静けさを纏いながら器全体に生命感を宿しています。
価格:10,000円(税別)
容量:170㎖
それぞれのカップの底面には、建築家・高松伸の名を刻んだ金彩のバックスタンプが配置され、意匠の細部にまでのこだわりを感じます。
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